<金曜は本の紹介>
熊本県の阿蘇地方、瀬ノ本高原にほど近いところにある山奥の温泉地「黒川温泉」は、交通が不便であるにも関わらず、年間に訪れる客は年間約120万人も達しているようです。
この黒川温泉24軒のすべての温泉旅館が一致結束して統一した景観づくり、「日本のふるさと」を再現することを一心に取り組んだ結果がこの人気をもたらしているようです。
お客様は作られた庭園が好きなのではなく自然の雑木林が感動をもたらすことや、お客様が喜ぶものが旅館に必要ということを、全国観光地のお客様の後ろ姿を見て分かったというのがポイントだったようです。
それで自分の旅館も庭木を雑木林にしたり、お客様が喜ぶ露天風呂もただの露天にするのではなく、岩を金槌とノミで3年がかりで1人で削って洞窟風呂にしたというのがすごいですね。
それから、自分の旅館だけが変わっても繁栄は得られないということで、他の黒川温泉旅館の反対に遭いながらも、粘り強く自分の考えを1軒ずつ広め、収益を上げさせ、最後には一致団結させたことに感服します。
具体的には、雑木林の植樹運動を行い、景観統一のために各旅館の看板を撤去し、外壁を黒を基調ににしたものに替え、カーテンも止めて障子にしたとのことです。
それから、ディズニーランドの幹部や社員も作者の話を聞きに来たようで、結局やっていることはディズニーランドと同じで、お客様を喜ばせることであり、それから共通点としてはお互いリピート率が高かったということのようです。逆にディズニーランドからも学んだようで、景観防御策を実行に移し始めているとのことです。
この本は、全編九州弁で書かれているせいか、作者の心意気が十分理解できますし、とても勇気づけられるお勧めな本です。
<目次>
第1章 湯布院、軽井沢、京都・・・・・・日本が崩れていく
「湯布院」への疑問
「軽井沢」との符号
「京都」が抱える問題点
ちぐはぐな風景
富士山が世界遺産になれない理由
「温泉騒動」の本質
「もてなしの心」を忘れた経営者たち
引きもきらぬ「後藤詣で」
ディズニーランドのすごさ
「和」の心を形にする
第2章 なぜ洞窟風呂を掘ったのか
少年時代
「三代目」誕生
洞窟風呂を決意
金槌とノミの3年間
京都・軽井沢に学んだ日々
杉山、庭木、盆栽・・・・・・
父との確執
日本の「転換点」がわかった
第3章 黒川温泉を立て直した日々
ブームと低迷
「嫌われ者」が表舞台に
露天風呂ラッシュ
「遅咲き」のリーダー
なぜ雑木なのか
木を植えたら客が来た!
入湯手形、本当の狙い
景観統一
新旅館建設
三位一体の「全体像」
危機感の高まり
「模範」を示し続ける
第4章 「癒し」の技術
技術① いい景色は「悪い条件」
技術② 全体像を「絵」にする
技術③ 奥を光らせる
技術④ 良い風呂悪い風呂
技術⑤ 雑木で四季の変化を出す
技術⑥ 「ビル」旅館の改造法
技術⑦ 「隅っこ」から始める
アドバイスする理由
都会でも「癒し」はできる
川崎に「黒川温泉」が登場か
第5章 再生の法則 後藤哲也が学んだ12の教訓
法則1 現場の声を「お客さんの後ろ姿」で判断する
法則2 毎日、自分を振り返る
法則3 部分に木をとられて全体を見失うな
法則4 忍耐、忍耐・・・・・・忍耐力
法則5 速度(スピード)よりも間(スペース)を大切にする
法則6 出番は必ず訪れる
法則7 「我が身かいわいさ」から脱皮せよ
法則8 「情況」は自らで変えていく
法則9 心の持ち方で人生は変わる
法則10 スキルや資格は志がなければ役に立たない
法則11 嫉妬はなくならない、前進あるのみ
法則12 理想の状態は最悪の事態の始まりだ
第6章 日本中を雑木林に
愚かなる規制
街路樹が泣いている
「ふるさと」づくり
「平野」の難しさを克服する
雑木を植えよう
子供に受け継いでいく街
<今日の独り言>
今度、この黒川温泉に行ってみようと思っています。ちょっと楽しみですね。
はじめまして
はじめまして
TBありがとうございます。
黒川温泉とディズニーランドは、相互訪問で互いのいいところを学び合っていますが、成功者は学ぶことに熱心というか、貪欲というか、ますます成功していくんだなあと感じました。
Coモン図職人さんコメントありがとうございます。
Coモン図職人さんコメントありがとうございます。
成功者は学ぶことに熱心というか、貪欲というか、ますます成功していくんだなあというのは同感です。あくなき努力が実を結ぶんですね!