<金曜は本の紹介>
信長研究の基本にして最良の史料である「信長公記」を精読することによって、従来の信長神話にメスを入れたものです。
桶狭間の合戦については、従来は信長による迂回・奇襲作戦による成功と云われてきましたが、この「信長公記」を精読すると、信長は正面攻撃を行い、今川義元の前軍の粉砕による退却によって信長軍により今川軍が追撃され、義元の首を落とされたのが真実のようです。
また、豊臣秀吉が墨俣一夜城を築いたという話には、それを史実であると窺わせるだけの資料的な裏付けはないようです。永禄9、10年ごろ、美濃のどこかに秀吉が城を1つ築き、その城主になったとしても不都合ではないが、それならばそれで信頼するにたる史料の一片ぐらいは残ってもよさそうに思われるとのことです。
その他、姉川合戦や長嶋一揆攻め、長篠合戦(3千挺の3段撃ちは無理!)、石山本願寺攻め、本能寺の変などについて詳しく述べられています。
織田信長好きな方には、是非お勧めな本です。
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<目次>
はじめに
序章 太田牛一と「信長公記」
1 信長を描いた男
2 「信長公記」の特色
3 軍事史料としての「信長公記」
第1章 桶狭間合戦-迂回・奇襲作戦の虚実
1 創作された奇襲戦
2 信長の勝因・義元の敗因
第2章 美濃攻め-墨俣一夜城は実在したか
1 信長らしからぬ用兵
2 明治期に完成した”史実”
第3章 姉川合戦-誰が主力決戦を望んだのか
1 きわめて異例な合戦
2 浅井・朝倉氏滅亡への道
第4章 長嶋一揆攻め-合戦のルール
1 城攻めと開城の交渉
2 一揆軍殲滅の背景
第5章 長篠合戦-鉄砲新戦術への挑戦
1 新戦術と旧戦術
2 両軍激突の状況
3 鉄砲3千挺・3段撃ち説の根拠
<図説>「長篠合戦図屏風」に見る戦いの長い1日
第6章 石山本願寺攻め-「鉄甲船」建造の舞台裏
1 織田水軍の完敗
2 非凡な船と平凡な戦術
終章 本能寺の変-謀叛への底流
1 武田氏滅亡
2 調略の成功と破局
結びにかえて
学術文庫版あとがき
参考文献
解説にかえて・・・・・峰岸純夫
<今日の独り言>
17ヶ月の息子がママのおっぱいの甲斐もなく、めずらしく夜鳴きしました。だけど、パパが抱っこすると落ち着いて、また寝てくれました。パパの抱っこ欠乏症だったようです^_^;)
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