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頭のよい子が育つ家(四十万 靖、渡邊朗子)

<日曜は出産・育児のおはなし>

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 有名中学に合格したおうちのほとんどが、「中学受験まっしぐら」といった張り詰めた雰囲気とは無縁で、お子さんがお父さんお母さん兄弟と仲良くコミュニケーションをとっていたようです。さらに、「子どもたちが子ども部屋で勉強をしない」「お母さんがいるリビングやダイニングのテーブルやちゃぶ台で勉強している」というのが特徴のようです。

 というのは、表面的な理由として挙げられるのが、近年の私立中学校の入学試験問題の出題傾向の変化で、暗記問題重視の傾向が薄れ、記述問題がより多く出題されるようになり、単に知識を詰め込んでいれば回答できる問題よりも、子供の考えや、答えを導き出した理由を記述させる問題が多く出題されるということです。

 こうした問題に的確に答えられるようになるためには、考える力、そして人に説明する能力が必要となります。

 では、どうすれば子供の考える力、そして人に物事を説明する能力がつくのでしょうか。

 ベースとなるのは、他人とのコミュニケーションで、他人とコミュニケーションをとっていなければ、ものを考える力はなかなかつきませんし、ましてや物事を説明する能力というのは、まさしくコミュニケーションの能力に他ならないからです。

 考える能力、説明する能力、コミュニケーション能力をつけるための基本、それは、やはり家族といかに濃密にコミュニケーションをとっているかです。

 そこで注目すべき空間が、家族が集う場所であるリビングであり、ダイニングであり、キッチンです。子どもの考える力、コミュニケーション能力を養う力は、こうした家の中の公共空間で養われていくものとのことです。

 この本は、第1章で有名中学合格者の11家庭の実態について具体的に書かれています。この第1章だけでこの本の半分弱ほどを占めています。

 そして第2章で頭のよい子が育つ家が、立派な子ども部屋を持たず、コミュニケーション能力を家族がつどう場所であるリビングやダイニングや台所で養っていること、話す以上に「書く」「描く」コミュニケーションが大切なことなどについて書かれています。

 第3章では、「頭のよい子が育つ家」に変える10カ条です。目次にもあるとおり以下の10項目です。

 01 子ども部屋を孤立さえないようにしよう
 02 家中を勉強スペースにしよう
 03 おうちの中で、引越ししてみよう
 04 子どもと家族の記憶に残る空間を演出しよう
 05 お母さんのスペースを贅沢にしよう
 06 親父の背中をみせる工夫をしよう
 07 おもてなし空間を意識しよう
 08 五感で感じられる空間にしよう
 09 「書く」コミュニケーションを実現しよう
 10 ギャラリー空間を設けよう

 そして、第4章では建築学から考えた「頭のよい子が育つ家」について書かれています。

 子どもには、家族のコミュニケーションが閉ざされる個室の勉強部屋が不要で、ママには十分甘えてコミュニケーションを十分取り、サポーティングキャストとしてパパの背中をみせる必要があり、また話す以上に書いたり描いたりしてコミュニケーションを取ることが大事だということがよく分かりました。

 とてもオススメな本だと思います!

<目次>
はじめに
第1章 「頭のよい子」たちはこんな家で育ちました!
     有名中学合格者の11家庭のおうち大公開
 1 栄光学園中学に合格したAくんの家
   -リビングにある「卓球台」が家族をつなぐ!
 2 開成中学に合格したBくんの家
   -子ども部屋を家族交流の場にする
 3 慶応義塾中等部に合格したCくんの家
   -その日の気分で勉強部屋を変える遊牧民(ノマド)式勉強法
 4 麻布中学に合格したDくんの家
   -”移動式勉強机”を自らつくり、家のいろんな場所でお勉強
 5 フェリス女学院中学に合格したEさんの家
   -3階建て吹き抜けのおうちで、家族の”音”が伝わる
 6 筑波大学付属駒場中学に合格したFくんの家
   -子ども部屋を捨て、リビングダイニングで寝泊り勉強
 7 桜蔭中学に合格したGさんの家
   -3×=explore(探求)、exchange(共有)、express(表現)が実現したおうち
 8 早稲田実業学校中等部に合格したHくんの家
   -「部屋」のない家で、家族が毎日”合宿”!
 9 武蔵中学に合格したIくんの家
   -天国のおじいちゃんとひいおばあちゃんに見守られながら、リビングで勉強
10 女子学院中学に合格したJさんの家
   -典型的nLDKのマンションでも、豊かなコミュニケーションは育める!
11 筑波大学付属中学に合格したKくんの家
   -大自然とキッチンスタジアムが人生の教科書

第2章 「頭のよい子が育つ家」とは、こんな家だ!
 立派な子ども部屋はいりません
 親子で中学入試問題を解いてコミュニケーションを深めよう
 「3×」と「頭のよい子が育つ家」の関係
 「話す」以上に「書く」「描く」コミュニケーションを
 古きよき日本の住文化が「頭のよい子が育つ家」の基本です
第3章 あなたの家をすぐに「頭のよい子が育つ家」に変える10カ条
 01 子ども部屋を孤立さえないようにしよう
 02 家中を勉強スペースにしよう
 03 おうちの中で、引越ししてみよう
 04 子どもと家族の記憶に残る空間を演出しよう
 05 お母さんのスペースを贅沢にしよう
 06 親父の背中をみせる工夫をしよう
 07 おもてなし空間を意識しよう
 08 五感で感じられる空間にしよう
 09 「書く」コミュニケーションを実現しよう
 10 ギャラリー空間を設けよう
第4章 建築学から考えた「頭のよい子が育つ家」の秘密
 1 ノマド式勉強法が実現できる家
 2 気配とモノ語る壁のある家
 3 風通しのいい家
 4 アトムの飛ぶ家
 5 豊かな創造力を育む家
 6 脳と体を同時に使う家
 7 頭のよい子が育つ街・頭のよい子が育つ国
おわりに

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<今日の独り言>
 2歳9ヶ月の息子は、服を着せようとしてもなかなか着ません。そこで、「寒いよ、寒いよぉ!早く着てくれないとパンツも寒いよぉー!」と言うと、すぐ着てくれるようになりました・・・^_^;)もちろん着た後は、「暖かいよぉー!ありがとうーー!」と言います^_^;)

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