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エコートレーディングのバフェット流投資判断

<土曜は株のおはなし>
 
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 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。

 私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。

 今回は、エコートレーディングについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。

 データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)ロイター(ホームページ)MSN(ホームページ)を参考にしました。

1消費者独占力を持っているか?
 エコートレーディングは、ペット用品・エサの卸だけであれば、消費者独占力はないと思われますが、商品開発に特化したメーカーベンダー事業、 トリマーなどペットビジネスのエキスパート養成事業、 コミュニティ重視型のペット専門店開発事業の提案などを行うのであれば消費者独占力があると思われます。

2事業内容を理解しているか?
ペット用品の卸、ペットの餌が主力で、ペットビジネスの専門学校や美容室も展開しています。ペットフード75%、ペット用品25%、他1%(2007.2) 単に物品を流通させるだけの卸売業からいち早く脱皮し、 「人とペットとの共生」をコンセプトに、ペットビジネスのフルライン化に取り組んでいます。具体的には、商品開発に特化したメーカーベンダー事業、 トリマーなどペットビジネスのエキスパート養成事業、 コミュニティ重視型のペット専門店開発事業の提案など、 斬新なアイデアを生かした新規事業に次々と参入。 このような新しい展開を通じて私たちは“人に飼育されるペット”から、“人と共生するコンパニオン・アニマル”としての存在の確立、 ペット自身はもちろん、 ペットと関わる人間もともに幸せに暮らせる環境整備などに 貢献するビジネス展開を、図っていきたいと考えています。

3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
 アメリカのように日本でもペットとの共生が進むと思われるので、20年後も陳腐化していないと思われます。

4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
 ペット関連に集中しているので、コングロマリットではないと思います。

5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1998,2 52.98 923.95 5.7% 12.5 23.6% 1,100 20.76
1999,2 71.80 978.89 7.3% 12.5 17.4% 970 13.51
2000,2 70.00 944.6 7.4% 16 22.9% 1,580 22.57
2001,2 89.67 1027.47 8.7% 16 17.8% 1,380 15.39
2002,2 5.72 1013.71 0.6% 16 279.7% 730 127.62
2003,2 42.95 1038.74 4.1% 16 37.3% 600 13.97
2004,2 87.66 1116.55 7.9% 18 20.5% 1,600 18.25
2005,2 85.79 1165.06 7.4% 22 25.6% 1,419 16.54
2006,2 73.90 1205.02 6.1% 35 47.4% 1,570 21.24
2007,2 94.24 1255.15 7.5% 30 31.8% 1,179 12.51
平均  6.3% 52.4%  28.24

6.6% (EPS成長率)
EPSは、2002.2を除いて、順調に安定成長していると思います。

6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2003,2 4.20% ←ロイター
2004,2 8.43% ←四季報、ロイター
2005,2 7.83% ←四季報、YAHOO、ロイター
2006,2 6.33% ←四季報、YAHOO、ロイター
2007,2 7.63% ←YAHOO、ロイター
平均ROE 6.9%
ROEは約7%と安定していますが、決して高くはないと思います。

7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
3.25
 この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに3.25年かかる財務となります。負債は少ないと思います。

8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1999,3 4.5 (百万)
2000,3 4.9 (百万)
2001,3 4.9 (百万)
2002,3 4.9 (百万)
2003,3 4.9 (百万)
2004,3 4.9 (百万)
2005,3 5.1 (百万)
2006,3 6.0 (百万)
2007,3 6.0 (百万)
自社株買いは積極的ではないと思います。

9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
ペット用品・エサの卸売りであるならば、製品価格の上昇は、インフレ率どおりだと思います。

10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
株価は2006年1月から下落傾向にあります。

11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
2007.11.2の株価 \1,089
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
8.7%
B:予想EPS成長率
6.6%
A+B 15.3% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
長期投資の期待収益率は、15.3%と国債の利回りを上回っています。

12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
3.3%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
1,733

10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\3,368

今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
12.0%
擬似債券と考えた期待収益率は12%と高い値となっています。

13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
6.6%

予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
179

10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\5,046

期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
16.6%
EPS成長率をもとにした期待収益率は16.6%と高い値となっています。

<まとめ>
 事業内容はペット関連で分かりやすく、製品・サービスは20年後も陳腐化していないと思われ、コングロマリットではなく良い会社だと思います。
 また、EPSやBPSは安定成長していて、ROEもあまり高くはありませんが、約7%と安定しています。また、有利子負債/税引き利益は3.25で、負債は多くありません。
 それから擬似債券と考えた期待収益率やEPS成長率をもとにした期待収益率はそれぞれ12.0%、16.7%と高い値となっています。
 懸念する点としては、ペットの用品・エサの卸は消費者独占力はないと思われます。そのため製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回るのは難しいと思います。また自社株買いにはまだ積極的ではありません。株価は下落傾向です。

 今後、ペット関連で用品やエサの卸だけではなく、事業コンセプトにあるソリューションビジネスへ特化していくのであれば、消費者独占力が増し、また擬似債券と考えた期待収益率やEPS成長率をもとにした期待収益率等は高いので、株価が下落傾向の今が買いかもしれません。

株のお話しまとめ(2006年)

<今日の独り言>
 バリバリバリューという番組で、100万円の元手から20億円を稼いだ若い投資家についてあったのですが、そのやり口は、買った株価が10%上がるか、2%下がれば売るという設定にすることで、4勝6敗すれば勝ちなんだ!と力説していました。確かに同じ金額で10銘柄買い、4勝6敗だった場合の儲けは、10%×4-2%×6=28%となり、かなりの儲けです。2%下がれば売るというのは、損を拡大させなくて良いとも思いますが、10%上がる株を買うというのは難しいとも思います。なお、一部上場の銘柄しかやらないとのことでした。

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  1. とても興味深いレポートでした。
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    勝手ながら私のブログからリンクを張らせて頂きました。よろしかったら相互リンクお願いします。

  2. テルさんコメントありがとうございます。
    テルさんコメントありがとうございます。

    興味深く思って頂けて幸いです。
    またリンクありがとうございます!

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