<土曜は株のおはなし>
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の購入はコチラ
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。
私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。
今回は、ホクトについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。
データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)、ロイター(ホームページ)、MSN(ホームページ)を参考にしました。
1消費者独占力を持っているか?
ホクトは、ブナシメジ、エリンギの販売で首位で消費者独占力を持っていると考えられます。
2事業内容を理解しているか?
ブナシメジ、エリンギで首位で、地盤の長野中心に全国で生産拠点展開しています。米国でも拠点建設中です。。きのこ生産86%、化成品13%、健康食品関連1%(2007.3)
3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
キノコ類は健康ブームも手伝い、20年後は陳腐化していないと思われます。
4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
キノコ関連に集中し、コングロマリットではないと思われます。
5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1997,3 134.15 1219.02 11.0% 12 8.9% 5090 37.94
1998,3 122.89 1043.38 11.8% 21 17.1% 2,900 23.60
1999,3 108.18 970.48 11.1% 25 23.1% 2,750 25.42
2000,3 131.11 1075.62 12.2% 30 22.9% 5,490 41.87
2001,3 148.77 1017.91 14.6% 30 20.2% 3,970 26.69
2002,3 148.10 953.2 15.5% 30 20.3% 4,540 30.65
2003,3 125.93 884.73 14.2% 31 24.6% 2,410 19.14
2004,3 96.78 877.77 11.0% 35 36.2% 1,380 14.26
2005,3 101.28 944.65 10.7% 38 37.5% 1,864 18.40
2006,3 92.99 1014.88 9.2% 45 48.4% 1,871 20.12
2007,3 103.36 1059.64 9.8% 48 46.4% 1,912 18.50
平均 11.9% 27.8% 25.15
-2.6% (EPS成長率)
EPS成長については、横ばいもしくは下落傾向です。
6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2004,3 11.47% ←四季報、ロイター
2005,3 11.11% ←四季報、YAHOO、ロイター
2006,3 9.49% ←四季報、YAHOO、ロイター
2007,3 9.67% ←YAHOO、ロイター
平均ROE 10.4%
ROEについては、安定的に10%前後と高いと思います。
7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
2.87
この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに2.87年かかる財務となります。負債は少ないと思います。
8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1998,3 33.4 (百万)
1999,3 33.4 (百万)
2000,3 33.4 (百万)
2001,3 33.4 (百万)
2002,3 33.4 (百万)
2003,3 33.1 (百万)
2004,3 32.9 (百万)
2005,3 32.9 (百万)
2006,3 33.0 (百万)
2007,3 33.0 (百万)
自社株買いは積極的ではないようです。むしろ株式分割を2003年まで進めていた模様。
9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
キノコの単価は2006年が底だったようですが、ホクトの製品価格の上昇は、ブランド力があるためインフレ率を上回ることは可能だと思います。
10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
株価は2005年ぐらいから横ばい状況で、最近は相場全体の下落傾向のため下落しています。
11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
現在の株価 \1,672
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
6.2%
B:予想EPS成長率
-2.6%
A+B 3.6% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
EPS成長率がマイナスのため、長期投資の期待収益率は3.6%とあまりよくありません。
12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
7.5%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
2,191
10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\5,750
今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
13.1%
擬似債券と考えた期待収益率は13.1%と高い水準にあります。
13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
-2.6%
予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
80
10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\2,002
期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
1.8%
EPS成長率をもとに計算する期待収益率は1.8%とあまり高くありません。
<まとめ>
ホクトは、ブナシメジ、エリンギ等のキノコで国内首位で、消費者独占力をもっていると考えられ、また事業内容はキノコで分かりやすく、今後20年間はその製品は陳腐化されないと考えられます。
またキノコ関連に集中し、コングロマリットではなさそうです。
また、ROEは安定的に10%前後と高く、負債も少なく、製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回りそうです。
擬似債券と考えた期待収益率は、11.8%と高い水準にあります。株価はここ2年横ばい状況で相場全体の下落傾向のため買いという場面かもしれません。
懸念する点としては、EPS成長率が下落傾向で、自社株買いには積極的ではなく、EPS成長率をもとに計算する期待収益率は低水準です。
ROEは高いのですが、EPSやBPSはあまり成長しておらず、買い推奨は微妙です。
ただ、米国で拠点建設中で、今後海外で売上が上がるようであれば、買いかもしれません。
<今日の独り言>
3歳8ヶ月の息子が久しぶりに「じいじ」と電話をしています。じいじはどうも風邪をひいたようで、息子が色々質問しています。「じいじ、せきは出る?」 「くしゃみは?」 「あくびは?」^_^;) あくびは風邪ではないんですけど・・・^_^;)
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