<土曜は株のおはなし>
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。
私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。
今回は、セイコーホールディングスhttp://www.seiko.co.jp/について具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。
データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)、ロイター(ホームページ)、MSN(ホームページ)を参考にしました。
1消費者独占力を持っているか?
セイコーホールディングスの時計は、ブランドがあり消費者独占力があると思います。
2事業内容を理解しているか?
腕時計で国内首位級で電子部品、眼鏡、置き時計も手掛けています。商社機能が主体です。ウォッチ54%、プレシジョン15%、眼鏡13%、クロック5%、他13%【海外】44%
3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
腕時計は、携帯電話機能等に置き換わり陳腐化する可能性があります。その他の事業は陳腐化しないと思います。
4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
精密機器という点でコングロマリットではないと思います。
5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1997,3 9.01 171.19 5.3% 7.5 83.2% 710 78.80
1998,3 63.82 229.82 27.8% 7.5 11.8% 457 7.16
1999,3 -128.19 85.84 -149.3% 5 -3.9% 466 -3.64
2000,3 -13.09 71.84 -18.2% 0 0.0% 499 -38.12
2001,3 18.68 120.17 15.5% 0 0.0% 400 21.41
2002,3 -87.01 47.49 -183.2% 0 0.0% 272 -3.13
2003,3 46.19 90.98 50.8% 0 0.0% 186 4.03
2004,3 86.01 304.82 28.2% 3 3.5% 563 6.55
2005,3 48.35 352.96 13.7% 5 10.3% 545 11.27
2006,3 79.27 476.33 16.6% 10 12.6% 635 8.01
2007,3 85.46 548.87 15.6% 15 17.6% 776 9.08
平均 -16.1% 12.3% 9.22
25.2% (EPS成長率)
EPSは、1999.3~2002.3が悪いですがここ4年は安定成長しているようです。
6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2005,3 14.70% ←四季報、YAHOO、ロイター
2006,3 19.12% ←四季報、YAHOO、ロイター
2007,3 16.67% ←YAHOO、ロイター
平均ROE 16.8%
ROEは、ここ3年は高い値で安定しています。
7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
11.03
この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに11.03年かかる財務となります。負債は多いかもしれません。
8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1998,3 105.6 (百万)
1999,3 105.6 (百万)
2000,3 105.6 (百万)
2001,3 110.9 (百万)
2002,3 116.4 (百万)
2003,3 116.3 (百万)
2004,3 116.2 (百万)
2005,3 116.1 (百万)
2006,3 116.1 (百万)
2007,3 116.1 (百万)
特に自社株買いは積極的ではないようです。
9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
ブランド力があり、ROEも高いことから、製品価格の上昇はインフレ率を上回っていると思います。
10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
株価は2007年8月に急落しています。
11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
2007.12.28の株価 \517
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
16.5%
B:予想EPS成長率
25.2%
A+B 41.8% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
長期投資の期待収益率は41.8%もあり高い値となってます。
12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
14.8%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
2,175
10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\3,376
今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
20.6%
擬似債券と考えた期待収益率は20.6%と高い値です。
13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
25.2%
予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
811
10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\7,474
期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
30.6%
EPS成長率をもとに計算する期待収益率は30.6%もあり高い値となっています。
<まとめ>
特に時計はブランド力があり、消費者独占力があり、事業内容は時計関連、電子部品等と分かりやすいです。腕時計以外は陳腐化しないと思われ、コングロマリットではないと思います。製品価格はインフレ率を上回っていると思います。また、EPSはここ4年は安定成長していて、ROEは約17%と高い水準です。長期投資の期待収益率や擬似債券と考えた期待収益率、EPS成長率をもとに計算した期待収益率は高い値となっています。
懸念する点としては、有利子負債/税引き利益は11.03と負債は多く、自社株買いには積極的ではないこと。また売り上げの54%を腕時計が占めていますが、その腕時計は世界で伸びるのかが気になります。携帯電話に時計機能があるため、そもそも腕時計を今後必要とするか?とは思います。
以上をまとめると、有利子負債が減り、自社株買いに積極的で、そのブランド力で世界での売り上げが上がれば、その他の指数は良いため、買いだと思います。PERもかなり割安かと思います。
株のお話しまとめ(2007年)
株のお話しまとめ(2006年)
<今日の独り言>
3歳9ヶ月の息子がスーパーで「そんなの関係ねー!」と連呼し出したので、思わず他人のフリをしてしまいました・・・。ちょっと恥ずかしいですね・・・^_^;)
有利子負債2000億円は2015年3月末までに返済…
有利子負債2000億円は2015年3月末までに返済できる。
銀座4丁目和光の土地建物を2000億円で売却し、その後リースバックで営業を続ければよい。
土地を持つ必要などない。