<土曜は株のおはなし>
ROEは、税引き後利益を自己資本で割って求めます。言い換えると、株主が会社に預けたお金を年間でどれだけ増やしてくれるのかを示しています。
しかし、単にROEが高いというだけで投資していると、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。
というのは、ROEが高くても特殊要因で高くなるケースもあれば、同水準でも必ずしも同等に評価できないケースもあるからです。
ROEをとある指標に分解して分析することで、それぞれに潜むROEの罠にはまるのを防ぐことができます。
たとえば、売上高、総資産を使って以下のようになります。
ROE = 税引き後利益/自己資本 = 税引き後利益/売上高 × 売上高/総資産 × 総資産/自己資本
(1)売上高純利益率=税引き後利益/売上高
(2)総資産回転率=売上高/総資産
(3)財務レバレッジ=総資産/自己資本
(1)の売上高純利益率と売上高経常利益率や売上高営業利益率を比較した方が良いようです。通常であれば、売上高純利益率は売上高経常利益率の半分強の水準になります。同水準または、売上高経常利益率のほうが高ければ、特別利益計上や税金控除をしていることとなり、本業が実は儲かっていないということが分かります。
(2)の総資産回転率は、資産をいかに有効に使い、売上に結びつけたかという効率性を表します。一般的に、工場などの生産設備を抱える製造業は、非製造業に比べて資産が膨らむため、総資産回転率は小さくなる傾向になります。従って、製造業と、卸売業、小売業といった非製造業の会社を比較する場合には、この点を考慮に入れることがポイントです。そうでないと、製造業の会社を過小評価してしまいやすくなります。
(3)の財務レバレッジは、この指標が高いということは、自己資本比率が低い、負債が大きいということになります。特に借入金や社債が占める部分が大きいためにこの比率が高くなっている場合は要注意です。
以下はROEランキングです。上記の3つの指標に注意しながら検討すると面白いと思います。週間ダイヤモンド(2008.6.7)p69から引用しました。本誌では100位まで掲載されています。
順位 社名 ROE 売上高純利益率 総資産回転率 財務レバレッジ
1 中央電気工業 47.8% 13.4% 1.70回 2.09倍
2 ソフマップ 40.1% 1.3% 4.33回 7.31倍
3 ポイント 37.2% 9.6% 2.29回 1.69倍
4 古河電池 31.6% 2.0% 1.49回 10.77倍
5 富士興産 30.9% 0.6% 4.65回 10.71倍
6 学習研究社 30.2% 13.0% 1.08回 2.16倍
7 新興プランテック 29.8% 5.0% 1.55回 3.84倍
8 インテリジェンス 29.8% 3.9% 2.49回 3.06倍
9 第一中央汽船 29.7% 8.9% 1.50回 2.23倍
10 商船三井 29.4% 9.8% 1.08回 2.79倍
11 大阪チタニウムテクノロジーズ 27.8% 19.1% 0.85回 1.71倍
12 任天堂 26.4% 18.1% 1.00回 1.47倍
13 新和海運 26.4% 8.9% 1.25回 2.38倍
14 東急リバブル 26.0% 8.1% 1.32回 2.43倍
15 カルチュア・コンビニエンス・クラブ 25.7% 3.2% 2.19回 3.66倍
16 太平洋金属 25.7% 23.0% 0.88回 1.27倍
17 アトリウム 25.5% 10.2% 0.51回 4.92倍
18 長谷工コーポレーション 25.3% 4.3% 1.35回 4.39倍
19 日本金属工業 25.1% 5.6% 1.31回 3.41倍
20 神鋼商事 25.1% 0.5% 4.66回 11.86倍
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<今日の独り言>
久し振りに4歳の息子とディズニーランドへ行って来ました。身長が102cmちょうどでビッグサンダーマウンテンの身長制限がぎりぎりです。1度目はぎりぎりでダメだったのですが、2度目はかかとを上げたり、背伸びをしてぎりぎりOKでした^_^;)別に次回優先的に使えるカードがもらえるので、かかとを上げろとは言わなかったのですが、よほど悔しかったのか自分で考えての行動のようです。それにしても、少しは怖かったようですが、ビッグサンダーマウンテンを乗りこなすとは、実はうちの息子は神経が図太いのかもしれません^_^;)
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