<金曜は本の紹介>
この本は、ワタミ(株)社長の渡邉美樹さんが日経ビジネスアソシエの2005年5月3日号~2008年4月15日号に連載した「ミキイズム」を加筆したもので、自分の仕事を進化させるヒントが色んな切り口でたくさん書かれています。
私は今まで、以下のように渡邉美樹さんの本をいろいろと紹介してきましたが、この本もなかなかオススメです!
・強く、生きる。
・教育崩壊
・ワタミの成功を生んだ人間哲学の原点 父と子の約束
・新たなる「挑戦」
以下はこの本の中で、特にポイントだと思ったところ等です。
とてもオススメな本です!
・あくまで自然に人を好きになれるか。好きな人が多い人はみんなから好かれますが、嫌いな人が多い人は嫌われる。人を好きになれるかどうかがリーダーの究極の条件かもしれません。
・勝ち続けるチェーンというのは、常に投資をしなければいけないということを、改めて感じました。勝利の方程式は、奇策を打つのではなく、当たり前のことをしっかりやることなんです。商品が良くて、サービスが良くて、店がきれいだったら、外食は必ずはやる。変わった商品とか、奇抜な内装とか、派手なサービスが必要と思いがちですが、実際に大切なのはQSC(クオリティー・サービス・クレンリネス)なんです。
・どんな小さなことでも途中でやめるな、やり遂げろと私は言いたい。そして100のことをやり遂げてから、その中の一つは時間がかかりすぎるからとやめるのはいい。しかし、一つもやり遂げていない人間が方向修正ばかりしていたら、何も身につきません。まずは、目の前の仕事をやり遂げてください。そしてイメージし小さな成功体験を積み重ねてください。そうすることでしか、真の持続力は身につかないのです。
・私は働くことは人生そのものだと思っています。だからこそ、大好きになれてい幸せを感じられる仕事を選んでほしい。毎日何時間も仕事をするのですから、嫌いな仕事をするほど不幸なことはありません。好きな仕事なら頑張れるし、頑張れば上手になります。そして心のどこかに少しでもいいから自分以外の人の幸せを思い描いてほしい。そうすれば、幸せ観はより深く密度の濃いものになります。この2つをしっかり守っていれば、楽しく働き、お金を稼ぎ、夢を膨らませていけるはずです。ぜひ頑張って自分に合った仕事を見つけ、充実した気持ちで働いてください。
・私は、幸運を引き寄せる方程式が3つあると思っています。1つが神様が応援したくなるような努力をすること。2つ目が勉強して原理原則を外さないこと。そして3つ目が明るくて人との出会いがあることです。
・私は、ビジネスパーソンはお金を稼ぐために、言われたことだけを黙々とやっていればいいというのではいけないと思います。真のビジネスパーソンは、一つの部門を任された起業家であり経営者であるべきです。こういう意識を持てるかどうかが、企業において、その人が主人公になれるかどうかの分かれ目になると思います。一方で、学問を理解し、人格も優れている優秀な人がどんどん起業家になる時代が来てほしいとも思っています。
・まず一つひとつの仕事のあるべき姿を頭の中にイメージしてほしいということです。それはビジョンと言い換えてもいい。ビジョンがなければ、目の前の問題に必死に取り組んでも、ただの当面解決型のモグラ叩きに過ぎなくなってしまいまs。ビジョンさえしっかり持っていれば、たくさんの仕事を同時に抱えていても、ある仕事に集中し、それを片付けたら忘れ、また別の仕事に集中するというパターンで十分対処できます。自分の仕事に明確なビジョンを持っているかどうかが、マルチタスク能力を身につける最も大きなカギになるのです。
・スポーツ選手ではないんだから体力など関係ないと思っている人もいるでしょう。しかし、ビジネスパーソンは絶対に体力はあった方がいい。やる気を生み出し前向きに仕事をしようとする「心」と「体」は密接にリンクしていることを意識すべきです。どんな仕事でも体が資本であることを忘れないでください。
・病院を実質的に経営してみて、競争原理を病院にも導入した方がいいと確信しました。病院は情報を公開して、その情報を見ながら、患者が病院を自由に選ぶんです。潰れていく病院は潰す。いい病院だけが生き残る。そこには明確な経営が必要です。医者は経営を勉強していませんから、経営は経営者に任せるべきです。そうすれば、医療費の高騰を抑えられるし、日本の医療は変わるはずです。ワタミが医療界の変革をリードしていきたいと思っています。
・リーダーの資質として必要なのは、どうしてもこれがやりたいという信念と、それを否定されるのであればいつでも退くという潔さ、そして精神的肉体的なタフさです。この資質は訓練で身につきます。例えば小さなプロジェクトであっても、自分の責任で最高の力を発揮するという意欲を持ち、仮に上司がノーと言うならいつでも外してくれという覚悟を持ち、上司の顔色をうかがうことなく仕事をすれば、着実に身についていきます。ぜひ読者の皆さんはこういう姿勢で仕事をしてほしい。そしてもう一つ言いたいのは、どんなにダメージを受け、逆境にさらされても、チャンスは何度でもあるということです。人生は何度でも敗者復活していいのです。
・人をだましてモノを売れるのは1回だけです。絶対に続きません。汚い勝ち方をするくらいなら潔く負けた方がいい。その負けが次の勝ちにつながるということをぜひ覚えてほしい。だからこそ何事に対しても正直、誠実がいいと私は常々言っているのです。人生は勝ち負けではなく生き方が大事なのです。一度負けても次に挑戦すればいい。その道がダメでも別の道で挑戦してほしい。人生はチャレンジを続けるものなのです。
<目次>
まえがき あなたの仕事を進化っせよう
ビジネスから仕事を学ぶ
その1 リーダーの条件
仕事の褒め方、叱りかた
リーダーの条件は人を好きになること
部下は育てなくていい 勝手に育つものである
その2 株主資本主義社会での生き抜き方
株主は同じ志を持つ仲間である
IRの基本は、「常にあるがままに」
両国国技館で7300人の株主総会を開くわけ
その3 ワタミの経営から学ぶ
メッセージを伝えるためにメディアに出る
全面禁煙の新業態店をつくったわけ
価値の高い本物だけがどんな世界でも生き残る
身近な成功モデルを目標に挑戦しよう
目標設定は121%に置こう
自分の強みをとことん磨け
デッドラインを決めて失敗に対処しよう
新たなチャレンジをするための3つの基準
ピンチの時こそチャンスあり
その4 より上を目指すための仕事術
夢を実現する手帳術
ビジネスパーソンの品格
仕事の持続力を身につける法
夏休みの過ごし方で差がつく!
アイデアの源は「怒り」と「愛情」
口下手でも大丈夫!人前で話す法
仕事選びで大切なのは「仕事観」より「幸せ観」
いい会議、ダメな会議はどこが違う?
幸運を引き寄せる3つの方程式
会社勤めでも起業家精神を持とう
マルチタスク能力はこうやって身につける
やりたい仕事をつかむには今の仕事に全力投球せよ
体力は絶対にあった方がいい 仕事におけるココロとカラダの関係
30歳でプロ、40歳で一流を目指せ
社会起業から仕事を学ぶ
その1 学校教育
「偏差値」から「夢」が学校教育の未来だ
「郁文館夢学園」への思い-「夢」を持てば誰でも変われる
競争原理で日本の教育を再生する
いじめは必ず撲滅できる
その2 ボランティアとNPO
ボランティア精神を持とう!
カンボジアの子どもたちから心の豊かさを学ぶ
カンボジアで孤児院建設 人の幸せこそ自分の幸せ
仕事の報酬はお金だけではない
その3 農業と地球環境
地球環境を考え、廃棄物ゼロを目指す
割り箸をやめ、環境問題に本気で取り組む
有機野菜で日本の農業を変えたい
その4 病院と介護・福祉
病院にこそ経営が必要です
「お客さまのありがとうを集める」本当の意味
ニッポンの介護を真剣に考えよう
デンマークに学ぶ-高齢者が主役の福祉
その5 政治と社会
ニートを生み出さない社会をつくろう
若者よ、もっと政治に関心を持とう
ニュースから仕事を学ぶ
中国の反日問題から学ぶ
「天下り」と「郵政民営化」から学ぶ
マンション偽装事件から学ぶ-損得じゃなく善悪で判断しよう
小泉靖国参拝から学ぶ-外国人との正しいつき合い方
不二家事件から学ぶ-ウソをつくな
東国原知事から学ぶ-しがらみを絶ち、仕事の内容で勝負せよ
桑田投手から学ぶ-大きな志があれば下積みにも耐えられる
高校野球の特待生問題から学ぶ-大人の都合で振り回すな
安倍首相辞任から学ぶ-リーダーに必要な資質は「信念」と「潔さ」
亀田問題から学ぶ-人徳がなければ成功はつかめない
防衛事務次官逮捕から学ぶ-「もう一人の自分」を持とう
面白かった本まとめ(2007年)
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)
<今日の独り言>
友人に女の子の赤ちゃんが生まれたので、病院へ可愛い赤ちゃんを見に行こうと思ったのですが、12歳未満は立ち入り禁止で4歳の息子と一緒に行くことができませんでした。感染症を防ぐためのようなので仕方がないですね。
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