<金曜は本の紹介>
「ほめる生き方」という本は、読者を「ほめ達!」にするために書かれた本です。
「ほめ達!」とは、「ほめる達人」のことです。
人を「ほめる」、人から「ほめられる」ことで、多くの人が生まれ変わったように元気になり、何事にも積極的に取り組むようになるようです。そして、その人が所属する組織や店舗や会社までもが、活性化されていくとのことです。
この本では、その「ほめられて」変わった体験や、「ほめ達!」検定3級の説明、「ほめ達!」になるポイント、「ほめ達!」になると得られるもの、よくあるQ&A等について書かれています。
巻末には、具体的に検定3級の内容や解答例がありますし、試してみることをオススメします。
ほめることは、相手や子どもを成長させ、相手との人間関係をよりよくし、また自分をより高めることにもつながり、そして物事を前向きに考えるようになり、とても良いことだと思います。
とておオススメな本です。
以下はこの本のポイントなどです。
・「ほめ達!」が定義する「ほめる」とは、「価値を発見して伝える」ことです。何の価値をつたえるのかというと、「人」「モノ」「出来事」の3つです。辞書で「ほめる」を調べると、「人、あるいは人のしたことをよいものとして評価し伝えること」と書いてあることが多いのですが、「ほめ達!」が「ほめる」のは「人」だけではなく、「モノ」「起きる出来事」に対してもです。
・まず「人」ですが、こえは世間一般の「ほめる」という言葉の概念に近いものです。つまり、「人のいいところを見つけて伝える」ということ。ただ、「ほめ達!」の域まで行くと、「その人の欠点やマイナスに見えるところも、プラスの価値に転じて伝えてあげられる人」ということになります。
・「モノ」とは、自分たちが扱っている商品やサービス・技術(あるいは、町おこしなどでは「自分たちの地域の魅力」)です。そこに「ほめ達!」ならではの独自の切り口をつくり出して、それをお客様や利用者にさらに魅力的に伝えられる人が「ほめ達!」です。
・「出来事」に関しては、目の前にある問題をここできっちり解決して、皆の知恵を集めて、二度とこんな問題が起きないような仕組みをきっちりとつくり上げることができたら、目の前にある問題は、ピンチの顔をしているけれど、本当はチャンスかもしれない!こんな考え方・伝え方ができる人が「ほめ達!」です。このような「価値を発見して伝える」能力は、あらゆる経営者、リーダー、親、教師に必要です。そして、すべての人が自分の人生の経営者であると考えるならば、すべての人に必要な能力だと思うのです。
・なぜ、笑顔をしてもらうのか?それは、笑顔になると脳が活性化されるからです。脳科学の研究によって、脳が最もよい状態で動くのは、前頭葉の楽観回路が開いているときであるということがわかりました。前頭葉の楽観回路が開いているときとは、具体的な場面でいうと、たとえば自分が根拠のない自信に満ちあふれているとき。そういうときは、いいアイデアがたくさん湧いてきます。この楽観回路を開いて脳を全力疾走させる方法が、表情筋を笑顔にすることなのです。さらに脳は、この表情筋の笑顔の入力について、「本物の笑顔」と「つくり笑顔」を区別することができないのです。つまり、笑顔をすると脳は、最もよい状態で動きだします。そして、脳を活性化させ、その活性化を継続させる方法は、自分から笑顔にすること。自分が笑顔でいると、いい笑顔に出会えるのです。目の前の笑顔を見てまた笑顔になる。
・2012年4月時点で、「ほめ達!」検定3級で約4500名の合格者がいます。2級は150名、1級は5名います。「ほめ達!」検定は、随時行っています。協会が主催する公式日程の検定は基本的に全国各地の都市部で行われていますが、それ以外にも、希望があれば各種団体で「ほめ達!」検定を開催しています。大手の企業や塾でもやっています。
・不安から私たちを守ってくれる魔法の質問があります。それは、「これは何のチャンスだろう?」すべては自分のために起きてくれたことだと思えば、なんでも素直に取り入れることができるものです。「ほめ達!」になるということは、プラスの感受性を強くすること。言い換えれば、ちまたにあふれるマイナス情報の氾濫に耐えられる強さを手に入れるということです。「ほめ達!」というフィルターがあなたを守り、周りの人に安心を与えます。「ほめ達!」を実践していくことで、あなたの周りが居心地のいい場所となります。必然的に人を引き寄せます。暗闇を照らすライトのような力。そんな「ほめる」能力を今のうちに身につけておけば大変なメリットがあるのです。
・ほめ慣れていない人が、一気に「ほめ達!」になる、あるいは「ほめ癖」をつけることは難しいと思われるかもしれません。ところが、どんな人でも「ほめ達!」にしてしまう、魔法のフレーズがあります。それが、「ほめ達!3S+1」(ほめ達!スリーエス・プラスワン)です。
①「すごい!」
②「さすが!」
③「素晴らしい!」
まずは「3S」ですが、この3つの言葉を、口癖のようにして反射的に使えるように心がけるのです。これが「ほめ達!3S」です。それだけであなたの「ほめ達!」指数が一気に達人レベルまで上がります。「まず、ほめよ!あとはそれから考えよ!」この精神が大切です。ものは試し、「すごい!」「さすが!」「素晴らしい!」を口に出してみてください。すると、言ったあとで不思議なくらい、ほめる理由が見つかるものです。
・このようなさまざまな効果が期待できる3Sフォーメーションの流れを解説していきます。まず、大きな構成と流れは以下のとおりです。
1.目につくものを探す
2.ほめるポイントを決めたら、迷わず「すごい・・・」(つぶやくように)
3.「すごいですね、この○○、こういうところが・・・」
4.「さすが!」
5.「さすが、□□さんの・・・」
6.「素晴らしい・・・」(つぶやくように)
・「+1」は、「これはちょっとほめられないな」という場面においても、相手の心をペシャンコにしたくないときに使える言葉です。「ほめ達!」にとって、嵐の中の避難港ともいうべき言葉です。その言葉とは、
「そうくるか!」
これは、特にほめている言葉ではないのですが、言われたほうは不思議と嬉しくなる言葉です。自分はこの人にない発想をしということになるからです。相手が持っていないものを持っているということで、「自分はできる人間だ」という自信が高まります。「そうくるか!」と言っても、ほめているニュアンスにはなりません。しかし認めていることにはなるので、あとに含みを残せます。「おお、そうくるか」と言ったあとで、何を言うべきか考える余裕も持てます。場もなごみますから、非常に便利に使える言葉です。
・もうひとつ、「魔法の言葉」ともいえる便利なものがあります。どうしてもほめられない場合に使うこともありますが、これを使えばかなりオートマティックに「ほめる」ことができる言葉です。しかも相手に自分の主張を伝えられる言葉、それが、
「惜しいなぁ」
これは、一方的にほめるのではなく、どうしてもほめにくいときやほめないといけないが直してほしいところもある、という場合に使う言葉です。また、相手の上がったモチベーションの使い道を教える言葉でもあります。そして「ほめる」のは難しそうだけど挑戦してみたいなと思っている初心者にもぴったりの言葉です。「惜しいなぁ」と言われると、相手は「え、何だろう?」と聞き耳を立ててくれます。これが、伝える達人になるコツでもあります。たくさんほめてもらって、いいことも言ってもらって、さらに「惜しいなぁ」と言われたら、なんだか続きを聞きたくなりませんか?
・話の聞き方で相手をほめる、というやり方もあります。「ほめる」のはこちらからの一方的なものかというと、話の聞き方次第で相手を認めることもできるのです。それが、次の8つのポイントです。
・目を見る
・うなずく
・相づちを打つ
・繰り返す
・メモを取る
・要約する
・質問する
・感情を込める
この8つを実行すると、「自分に対してすごく認めてくれている」ということが相手に伝わります。
・アイデアを集める話の聞き方をすると、相手はほめられた状態になるものです。そうすれば、自分のところにアイデアがどんどん集まってきます。メリットの高いほめ方とは、じつは話の聞き方であり、「メモを取る」ことだと言えます。
・「よいほめ方」として、「感謝を伝える」というものがあります。「それでほめることになるの?」という疑問が浮かぶかもしれませんが、「○○してくれてありがとう」と言うことは、相手にとって、単にほめられた以上の効果があります。感謝を伝える人と、伝えられた人との関係がすごくよくなります。人は、誰かの役に立っているということを自覚したい、誰かから感謝されたいものなのです。その誰かとなるのが「ほめ達!」です。そのため「感謝を伝える」ことがすごく重要な要素となってきます。そのためには、「ありがとう」の量を増やすことです。
・一般的に、「ほめる」という行為は、目下の者に対して「頑張ったね」「すごいね!」という場合が多いのですが、年齢の違いに関係なく使える方法があります。それは、「質問してほめる」こと。特に、年上の人をほめるときに効果的な方法です。例えば、「どうしてそんなことができるんですか!?」という質問は、相手をものすごく認めていることになります。あるいは、「若い頃h、どんな本を読んでいらっしゃいましたか?」「ボクぐらいの年齢のとき、仕事上ではどういうことを心がけていましたか?」といった質問をされることによって、相手は「自分は認められている」と思うものです。なぜなら、質問をしてくるのは自分のことを知りたい、それを参考にしたいということだからです。「自分のことを上に見てくれているんだな」と伝わる。だから、質問することが相手を認めることになるのです。このときに覚えておきたいのは、たとえネガティブな回答をされてもそれに動じないこと。ネガティブな回答もあるだろうと想定しておくことです。
・受けた質問に対して「ほめる」を活用する方法もあります。これは、子どもから難しい質問をされたり、顧客にプレゼンテーションをするときなどにも使えるものです。私も、講演やセミナーの最後に質問を受けることがよくあります。あるいは、プレゼンテーションのときに質問を受ける場合もあります。そういうときに使うのが、「いい質問ですね。ありがとうございます」質問内容がどんなものでも、それをいかに待っていたかのように言うと、質問者も「オレ、いい質問したかな?」と感じて気分がよくなります。ところが、質問に対して「うーん・・・」と答えに詰まると、「この演者は経験不足だな」と思ってしまいあす。そこを待ってましたとばかりに、「いい質問ですね。ありがとうございます」と答え始めれば、たとえうまくまとまっていなかったとしても、「いい質問だ」と答えたことで、「やはり難しい質問だったんだ」と質問者も聴衆も納得できる。したがって、どちらにしても悪い印象は受けません。それに「いい質問ですね。ありがとうございます」と言っている間に回答を考える時間的余裕もできます。ですから、プレゼンテーションでも使い勝手がいいのです。質問ほめることで、その質問者に対してだけではなく、会場にいる他の人のためにもなる回答をしたあとに、「この質問から、皆さんもこういう気づきにつながりましたね。本当に素晴らしい質問でした」と、質問者に拍手を送る。こうして、質問者をヒーローやヒロインにしてあげると会場全体に一体感が広がります。子どもからの難しい質問には、「いい質問だね。一緒に調べてみようか」と言って、一緒に考えてみてはいかがでしょうか?
・「ほめ切る」ことも大切です。「ほめちぎる」という言葉もありますが、関西風に「ほめたおす」というニュアンスのほうが近いでしょう。「もうわかった、わかりました。参った」と相手が立ち上がってこられないくらいに「ほめたおす」のです。ここまでやると、「わざとらしくないほめ方」になります。「ほめ切る」といっても、上っ面だけでは意味がなく、真実だけを具体的にほめること、証拠を示すことが大事です。証拠というと大げさですが、第三者の証言を加えて伝えると、より強力なほめ方となります。
・なかなかすんなりとは「ほめる」ことができない人からは必ず、「ほめることの素晴らしさはよくわかった。でも具体的には、ほめると実際にどんなことが起こるの?」と聞かれます。そこで、あなたが「ほめる生き方」にさらに一歩踏み出していただけるように、「ほめ達!」が経験をしてきた「ほめる」ことで生まれる8つの「奇跡」を以下にご紹介してまいります。
1.ほめると、相手が成長する
2.ほめると、相手と良好な関係を築ける
3.ほめると、子どもの力が伸びる
4.ほめると、成長が加速する
5.ほめると、尊敬される
6.ほめると、人間力が上がる
7.ほめうと、感動に出合える
8.ほめると、引き立てられ力が強まる
・「ほめようとすると、わざとらしくなって、とってつけたようになってしまう」「ほめるって、相手の心を開く最高のコミュニケーション方法だって聞いていたのに、何だか白けた感じになってしまって、続かない」この言葉にうなずく人は多いとおもいます。これは、
・本心からほめていない
・相手をコントロールしようという下心があってほめている
・ほめること自体を目的にして、とりあえず、ほめてしまっている
など、さまざまな原因が考えられます。そんな人へのアドバイスは、
・できるだけ小さな事実をほめよ
・真剣によめよ
・ほめ倒せ!
・自分では、まだまだと思っていても、自分の行動や持っている価値が誰かの役に立ったり、誰かにいい影響を与えていたりすることを知ると、人はすごく嬉しくなります。そして、その価値を伝えてくれた人に好意を持ちます。小さな事実を伝えると同時に、その事実が引き起こしたプラスの影響・結果を伝える効果には大きいものがあります。また、ほめたことに対して相手が否定してきときは、自分が真剣にほめているかどうかを試される大きなチャンスです。そんなときは、相手が「もう許してください!」というまでほめたおしましょう。これが大切です。良好なコミュニケーションは、その人の価値を本人に伝えることから始まります。その人が自分や周りの人に何を与えているのか?その小さな事実を見つけて、教えてあげることです。
・例えば、子どもがテストでいい点を取ったとします。そのときに「あなたは頭がいいね」というほめ方をしてしまうと、たまたま学習内容が理解できなかったときに、「自分の能力はこれくらいなんだ」と自分で限界を設けてしまい、成長を止めてしまうのです。だから、能力ではなく努力をほめる。いい点数を取ってきたら「よかったね。だって頑張っていたもんね」と、努力の様子をほめるのです。すると、行き詰まったときや「もう限界かな?」と感じたときでも、「今回は努力が足りなかっただけ。もう少し頑張ろう」となります。そうすれば、努力することをやめずに、もっと前に進める子どもになるのです。
・子どもに対しては、まずは今頑張っているところを見つけて、少しでもできているところがあれば、それを認めてほめてあげる。小さなプラスをちゃんと見ていてあげるということが大事です。
・ほめっぱなしでは成長が止まる場合もあるということです。しかし、ほめると調子に乗るタイプの人でも、せっかく乗っている成長の上昇気流をそのまま上手に活用して、さらなる成長につなげる方法があります。それは、ほめてあげられる原因、つまり成功の原因をインタビューしてあげることです。誰かが失敗すると、同じ失敗を繰り返さないために「なぜ失敗したのか?今後はどういうところに気をつければいいか?」といった原因探しの追求をするものです。ところが、成功した場合はそのまま放っておかれる場合が多くあります。「よかった、よかった」と言うだけで、それ以上のフォローをしない。しあし成功したときこそ、「なぜ成功したと思うか?」というインタビューをして、その人に成功の理由や原因を分析する機会をつくってあげることが大事です。さらに、それを習慣づけることも大事です。ただ、自分で行うのはかなり難しいので、インタビューしてあげることが、最高にほめてあげられる手法なのです。
・相手のいいところをほめるというのは、相手のいいところに憧れを抱くことでもあります。憧れは、その種を自分の中に蒔く!「ほめ達!」が、周りの人の可能性を見出していくだびに、その可能性の種は自分の中にも蒔かれていくことになるのです。そしてそれが知らぬ間に芽生えていって、周りから見てどんどん魅力的な人になっていく。自分の可能性を信じて、自身を高められる人になります。これこそが、ピグマリオン効果と脳の認証の仕組み、言葉の影響力を組み合わせた、「ほめ達!」効果なのです。この「ほめ達!」効果を実感し、自分の可能性と人生の素晴らしさを日々確認していく生き方、これが「ほめる生き方」です。
<目次>
はじめに
第1章 「ほめて」成長した!「ほめられて」変わった!
「ほめられて」変わった私の体験
「ほめられて」美容師の道へ
人生の角度が変わったコンビニ
「ほめる」大切さを知って最優秀営業マンになった
「絶対無理!」から「為せばなる!」へ
「ほめ達!」は家庭でこそ威力を発揮する
小さな発見、小さなひと言
第2章 あなたの「ほめ達!」度をチェック
「ほめる」を漢字で書けますか?
「ほめる」の定義について
検定前のウォーミングアップ
「ほめ達!」検定の狙い
問題1「自分が言われて嬉しいほめ言葉」
問題2「価値の創造」
問題3「価値の発見 人物編」
問題4「価値の発見 出来事編」
問題5「人生の価値を伝える」
これで、「ほめ達!」検定3級合格
第3章 あなたも「ほめ達!」になれる
「ほめられたい」人が多いから活きる「ほめ達!」
あなたを一気に「ほめ達!」にする「3S+1」
3Sフォーメーションの流れ
3S+1の「+1(プラスワン)」とは
初対面のときからほめる
「ほめる」につなげることを、つねに心がける
短所と思われるところも発想を転換してほめる
話の聞き方の8つのポイント
聞き上手こそが「ほめ達!」
感謝でほめる
質問してほめる
質問をほめる
最後までほめ切る
飲食店で「ほめ達!」トレーニング
第4章 「ほめ達!」になると得られるもの
ほめることで生まれる8つの奇跡
1.ほめると、相手が成長する
2.ほめると、相手と良好な関係を築ける
3.ほめると、子どもの力が伸びる
4.ほめると、成長が加速する
5.ほめると、尊敬される
6.ほめると、人間力が上がる
7.ほめうと、感動に出合える
8.ほめると、引き立てられ力が強まる
未視野を見る
第5章 「ほめ達!」として生きる
「ほめ達!」は違いを活用する
人間には「利き脳」がある
脳のタイプによってコミュニケーションの取り方が違う
ラベルを剥がして発想を転換する
他人の脳を借りる
チャンクとは何か?
チャンクを使ったコミュニケーション
「ほめ達!」の力が消える?
「ほめる」ときに気をつけておきたいこと
ほめっぱなしの罪とは?
ピグマリオン効果を超える「ほめ達!」効果
付録「ほめる」「についてのよくあるQ&A
おわりに
「ほめ達!」をより深く理解するための用語集
「ほめ達!」検定 3級試験問題
「ほめ達!」検定 3級試験問題 解答例
<今日の独り言>
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