<金曜は本の紹介>
「心を上手に透視する方法(トルステン・ハーフェナー)」の購入はコチラ
「心を上手に透視する方法」という本は、ドイツ生まれのトルステン・ハーフェナーが書いた本で、ドイツでは35万部を超えるベストセラーとなり、世界10カ国以上で翻訳されているとのことです。
その著者のトルステン・ハーフェナーは、少年の頃はマジックをするのが好きで、そして大学で翻訳と通訳を学び、それらの経験から身体言語を読み解くことで人の思考や感情を解釈する能力を身につけ、現在ではマインドリーダー(読心術者)としてステージショーや後援会等を行い、テレビやラジオにも出演して人気者のようです。
この本は、そのマインドリーディング(読心術)の道具箱を紹介したもので、特に以下について書かれていて、非常に面白いし読心以外でも人生に役立つことがたくさん書かれていて、とてもオススメです!
・外見にはその人について何かを知る手がかりがある。
・どんな変化が起きても無条件に受け入れ、まずは先入観をもたずにありのままに受け止めるとよい。何事もすぐに良いとか悪いとか決めつけないでほしい。
・運がいい人は、運がない人よりもチャンスによく気がつく
・ある発言の内容そのものから伝わるのは、たったの7%だ。残りの93%は、身体(55%)と声(38%)によって伝えられる。
・何か視覚的イメージを思い浮かべているときは、目が上に動く。何かの響き、音や言葉が頭に思い浮かんだときは、目は真横に動く。身体に何か感じたときは、左下を向く。
・興味を惹かれるものや、とても欲しいもの、とても感じがいいと思うものを見たら明るさが変わらなくても瞳孔は開く。
・目が大きくなるのはいつでも、「たった今起きたこと、耳にしたことについて、もっと知りたい」という意味だ。
・何かを処理するのにもっと時間が必要なときは、口を開けるという行為に表れる。目の場合と同じだ。
・ミラーリングを行うと、相手が今、どんなことを思っているのかを知ることができる。
・頸動脈の急所を相手に見せるということは、「信用してください。私はあなたに害を加えるつもりはなく、あなたを信用しているから、私の弱点を見せるのです」と言っているのと同じだ。だから広告のポスターにはよく、首をかしげた人の姿が載せられている。
・女性があごを引いて男性を見つめると、彼女の目はより大きく、身体はより小さく見える。だからこのしぐさはとても効果があり、男性が相手を守らなければという本能を刺激する。
・身振りやしぐさだけでは、その人のことをすべて推測することはできないのだ。さまざまなことを関連づけて考えることがとても重要になる。
・手を開いている場合、相手の手のひらが見える。これは誠実さのサインで、何も隠し事をしていないということだ。
・手を握り合っているカップルは、優位に立っているほうの親指がいつも一番上に置かれているはず。
・相手が会話に積極的か消極的かを知りたければ、足をちらりと見てみるといい。
・気分が滅入っていて、元気になりたいときは、身体の力をできるだけゆるめて欲しい。
・失敗するのではないかと思っていたら、その思いを切り替えて、成功しているイメージからエネルギーを引き出してほしい。前向きな思考と否定的な思考を行ったり来たりするのもやめるべきだ。
・暗示がもつ力を知ると、「お前にはどうせできないよ」という発言が、どれだけ破壊的な意味をもつ恐れがあるのかがわかるだろう。
・「不安を呼び覚ますこと」は人の興味を惹く
・本当に話を聞いてもらいたければ、小声で「秘密をお教えします」と言えばよい。
・誰かを相手に何かを達成したいときには、まず先に相手の利益になることをこっそり伝えるとよい。
・「~だけ?それとも~も?」という呪文は売り上げを増やす
・二つの指示を組み合わせると、相手は言うことを聞く
・相手の名前を呼びかけたほうが相手は心を開く
・誰かと知り合いになるときには、初めて会ったその場で名前を覚えてしまうと決意すること
・批判してばかりの人には、否定の形で提案すれば目指すことに到達できる
・社会的地位があり成功している人は以下の言葉を使わない。
「本来は」「たぶん」「でも」「本当のことを言うと・・・」「誰か」「いつも」「また」
・誰もが興味のある話題は以下の通り。
「恋愛」「お金」「仕事」「健康」「旅行」「知識と知識の習得」「希望、幸運、願望、将来の計画」「相手の性格の特徴」「相手の個人的な状況」
以下はこの本のポイントなどです。
・気楽なパーティーで好印象をもたれたいなら、カジュアルで質のよい服を選ぶことだ。ビジネスシーンで影響力を発揮したいなら、その場にいる人の中で一番いい服装で登場すればいいだろう。今は、ただ外見のことについてだけ述べているが、実際に外見が間違いなく影響を及ぼすということに、注意してほしい。もしあなたが上司より上質の服を着たら、上司はそのことに気づき、あなたをライバル候補と見なすだろう。そうなりたくなければ、上司よりも質のよい服を着ないよう、気をつけたほうがいいかもしれない。外見には、その人について何かを知る手がかりがあるということだ。同様に、私たちはみんん、相手の外見に影響される。だからこそ外見の細部に注意を払うべきなのだ。どんな生地の服を着ているか。服は擦り切れているか、それともきれいなままか。アクセサリーや装飾品をつけているか。いくつつけているか。結婚指輪をしているか。今風のデザインの靴をはいているか。それとも汚れていて古いか。また相手を観察するときは、控えめに行うこと。じろじろと見られて気分のいい人はいない。
・雨が降ると、野山への遠足は中止になるかもしれない。しかしそのかわりに、普段は行くことがない博物館を発見することになるかもしれない。物事にどのように対処するのかによて、それを障害とも、チャレンジともとらえることができるのだ。だから、どんな出来事に対しても柔軟な姿勢で、あるいは新しい方法で対処するよう、粘り強く努力するといい。そのように、どんな変化が起きても無条件に受け入れ、まずは先入観をもたずにありのままに受け止めるといい。そこから、状況をどのようにとらえるのか、選択することができる。だから何事も、すぐによいとか悪いとか、決めつけないでほしい。レッテル貼りをしないでほしいのだ。そうではなくて、「ただ単に事実はこうなのだ」と自分に言い聞かせてほしい。制限を設けないことにより、「自分が物事をどうとらえたいか」ではなく、物事をありのままにとらえうことができるのだ。そうすることによって、他の人に責任を委ねるのではなく、いつでも自分に責任をもつことができるようになる。我が身にふりかかった状況の原因を、他人ではなく、自分の中に探すようにしていれば、いつでも人生の手綱を自分の手で握っていられる。どんな場合でも適切に冷静に反応することが可能になる。
・ワイズマンはこのことから、運がいい人は、運がない人よりもチャンスによく気がつくということを導き出した。私たちの思考は私たちの行動に影響を及ぼし、不思議なことに、幸運か不運のどちらかを引き寄せるのだ!ワイズマンはこう書いている。「楽観的な人は前向きでエネルギッシュで、新たな機会や経験にオープンである。一方で運が悪い人は、控えめで頼りなく心配そうな反応をし、目の前にあるチャンスを見つけて活かそうという気がないようだった。」
・メラビアンは、声と身体言語が、相手にどれほど影響を与えるかに関心をもった。調査の結果はこうだ。ある発言の内容そのものから伝わるのは、たったの7%だ。残りの93%は、身体(55%)と声(38%)によって伝えられる!どうやら、もっと性格に聞き取り、もっと正確に観察するだけの価値はありそうだ。
・何か視覚的イメージを思い浮かべているときは、目が上に動く。何かの響き、音や言葉が頭に思い浮かんだときは、目は真横に動く。身体に何か感じたときは、左下を向く。相手がまっすぐに見ているときも、たいてい何かを視覚でイメージしている。ただし気をつけてほしいのは、とくに左利きの人の半数を含む少数の人が、左右の動きにおいて逆に目を動かすことがあるという点だ。NLPに心酔している人であっても、この図式が誰にでもぴったり当てはまるとは言わないだろう。しかしこの分析方法が当てはまる度合いは、驚くほど高い。この図式とは違う反応をする人に会ったとしても、その人なりに一貫性のある反応が見られるはずだ。仮に、誰かが何かを視覚的に思い浮かべる際に、上ではなく下を見るとする。それなら、視覚的にイメージするとき、その人はいつも下を見るだろう。それさえわかればいいのだ。
・瞳孔は光に反応する。瞳孔は、明るくなると小さくなり、暗くなるともっとよく見えるように開く。しかし明るさが変わらなくても、瞳孔の大きさはある法則によって変わる。基本的には、私たちが何か興味を惹かれるものや、とてお欲しいもの、とても感じがいいと思うものを見たら、明るさが変わらなくても瞳孔は開く。たとえば、あなたが異性といい雰囲気になったとき、相手の瞳孔が開いたら、もう一歩先に進むとよいだろう・・・。さらに面白いことに、何かすごくいいと思うことを「想像するだけ」で、瞳孔が開くのだ。また、何かに没頭して、ほかのことをすっかり忘れているときも、同じことが起きる。意識していなくても、瞳孔が大きい状態がポジティブな感情と関係があることを私たちは無意識に記憶している。このことから、瞳孔が大きいという特徴のある人は、瞳孔が小さい人よりも基本的に人をひきつけ、魅力的だと思われる。
・目が大きくなるのはいつでも、「たった今起きたこと、耳にしたことについて、もっと知りたい」という意味だ。このことを知っておくと、ビジネスにも役立つ。取引の最中にクライアントの目が大きくなったら、売り手にとって非常に重要なサインだ。プロならばそれをしっかりキャッチし、ポイントを押さえた質問をして、完璧な成果を引き出すだろう。逆に相手の目が細くなったら、まだ情報が足りないと思っているということだ。この場合、すでに提示した情報をもっと詳しく知らせることが大切だ。
・あなたがとても興味を持っている相手と会う約束をしたとしよう。最初から視線でのコンタクトをたくさんとり、相手の目の奥をしっかり見るといい。すると相手はいい気分になる。ただし、やりすぎないよう注意も必要。それが大切だ。その後、晩になったら、あなたが大事だと思っている話題を切り出す。そして視線をそらし、自分の手やグラスを眺めるのだ。ここからは絶対に、相手の目を見てはいけない!そのとき次のことが起きる。相手は、何かが変だ、あなたとのつながりがなくなってしまった、と感じる。相手は関わりをもとうとして、よりオープンに、より正直にあなたと話すようになる。相手がこのような行動に出たらすぐ、また目線を合わせて、その話の続きを教えてほしいと伝える。こうすれば、あなたの目的はより簡単に達成でき、相手をあなたの味方につけることができるにちがいない。
・何かを処理するのにもっと時間が必要なときは、口を開けるという行為に表れる。目の場合と同じだ。もっと情報が欲しいとき、目も大きくなる。口をより大きく丸く開けるのは、もっと何かを得たいからだ。このサインは、会話の相手に誘いかけをしているということだ。
・口が開いていると「もっと情報が欲しい」という欲求を表しているとすれば、固く閉じた唇は、正反対のことを意味している!人は、何かを口に入れたくないときや、受け入れたくないときに、ぎゅっと唇を閉じる。そうやって、はっきりと反感を表明しているのだ。また正反対の働きもある。ほかの人の言葉を受け付けないよう壁をつくることができるだけではなく、自分自身がそれ以上何も言わないようにすこともできる。それは拒絶を暗示している。
・ミラーリングを行うと、相手が今、どんなことを思っているかを知ることができる。相手と同じ動作をすることで、相手の内面で何が起きているのかを感じ取ることができるからだ。身体の姿勢が思考に影響するということを、覚えているだろうか。それがここでも重要であり、活用されている。しかし、ミラーリングを行う際には細心の注意が必要だ。すでに多くの人がこの方法を知っていて、ほかの人も用いているのではないかと気をつけているからだ。
・しばらくしてから教授は、受講者が全員、しばらくその赤ん坊を眺めている間、首を傾けていたことを指摘した。無防備な赤ん坊の写真を見ただけで僕たちの内面に反応が生じ、すぐに無意識のうちに、その赤ん坊に、「僕はあぶない人じゃないよ!」と非言語コミュニケーションをとっていたのだ。首を傾けると、相手に自分の身体の傷つきやすい部位、つまり頸動脈を見せることになる。頸動脈は動物にとって非常に敏感な部位で、肉食獣が獲物を攻撃するときに狙う急所だ。普通は人間も、このような急所を自分で守っている。急所を相手に見せるということは、「信用してください。私はあなたに害を加えるつもりはなく、あなたを信用しているから、私の弱点を見せるのです」と言っているのと同じだ。だから広告のポスターにはよく、首をかしげた人の姿が載せられている。こうして相手に自分をオープンにしているというメッセージだ。首をかしげるのは、腰が低くて、気の弱い人がよくする、相手の機嫌をとる身振りでもある。動物が強い相手を前にしたとき、自分のほうが相手よりも劣っていることを示すために、仰向けになって弱点をさらすことがあるが、これと同じことだ。だから、会話をしている相手が急に、かしげていた首をまっすぐに戻したら、それは相手が何かに納得していないか、困惑している表れだ。たいていこのサインと同時に目線や口の表情の変化も起きるものだ。
・大きく天を仰ぐことで、のどを相手にすっかり見せることもある。これには2通りの意味が考えられる。一つは、喉頭を見せることで、もしかしたら敵になるかもしれない相手を怖いと思っていないことをデモンストレーションしている。文字通り、「かかってこいよ、目にものを見せてやる」ということだ。この場合は、頭をまっすぐ後ろに倒す。そしてあごが前に出る。子供同士でけんかが始まりそうなとき、このしぐさをするのをよく目にする。このようなしぐさをする人に出くわしたら、尊大で挑発的な人だという印象を受けるだろう。喉頭を見せるしぐさとしてもう一つ考えられるのは、異性に色目を使って誘いかける行為だ。女性はこのしぐさで、色っぽく自分の首を見せる。このとき女性の動作はゆるやかで、頭は少し横に向けていることが多い。さらに自分の首に手を当てて、自分の弱い部位にもっと目を向けてもらおうとすることもある。「こっちを見て。私はあなたをすっかり信用しているわ。私の弱点をあなたに見せてるんだから」ということだ。
・女性があごを引いて男性を見つめると、彼女の目はより大きく、身体はより小さく見える。だからこのしぐさはとても効果があり、男性が相手を守らなければという本能を刺激する。女性は自分をか弱く無防備に見せられる。
・身振りやしぐさだけでは、その人のことをすべて推測することはできないのだ。さまざまなことを関連づけて考えることがとても重要になる。すべてのサインを解読するには、細かい部分をくまなく観察し、その相関関係を正しく解釈しなくてはならない。あなたの直感が問われている。
・手を開いている場合、相手に手のひらが見える。これは誠実さのサインで、何も隠し事をしていないということだ。さらに友好的に誘いかける動作でもあり、信頼をもたらすものだ。何かを与えたり、手に取ったりするときは手のひらを開く。これは、「私はフェアな交換をする気持ちがある」ということを象徴している。こぶしを握っていると、手のひらが隠れる。相手には手の甲しか見えない。この動作は、何かを控えておきたいという意味だ。不安や自信のなさからくることもあれば、何か隠しておきたいことがある場合もある。どちらにしろ、相手と距離を置いている。
・両手をポケットに突っ込んでいると、両手を使うことができない。これはわかりやすいだろう。つまり、その時点では何かに協力したくないか、隠したいという明白なサインなのだ!注意してほしいのは、単に手が寒いからということもありうるということだ!もう一つ、ちょっとしたアドバイスがある。ジーンズをはいている人がよくするのだが、手をポケットに突っ込んで、親指だけがポケットの外に出ていることがある。これは自分が優位にいることを示すものである。なぜなら親指は指の中では一番力が強く、この指がわざわざ見えるようにしてあるからだ。同じことが、腰のベルトに指を引っかけているときにも言える。手を握り合っているカップルがいたら、観察してみるとよい。優位に立っているほうの親指が、いつも一番上に置かれているはずだ。
・相手が握手の際に手を強く握るなら、その人はすべてを自分のコントロール下に置き、優勢に立とうとし、強さを見せようとする対抗相手になると推測できう。ある調査によると、女性が握手で手を強く握るのはその人の素直さの表れだが、男性の場合は違うという。弱く短時間の握手は、自信のなさ、あるいは「いちおう握手はするけど、君のことはどうでもいい」といった興味のなさを示していることもある。その人は何か考え事をしていて上の空か、あるいは傲慢であるか、ナルシストなのだろう。
・相手が会話に積極的か消極的かを知りたければ、足をちらりと見てみるといい。考えが相手にはっきりとわかってしまうのを避けるために手を動かそうとしない人も、それが足に表れていることがある。
・気分が滅入っていて、元気になりたいときは、身体の力をできるだけ緩めてほしい。簡単だが効果的な対処法だ。背筋を伸ばし、自分に微笑みかけて、リラックスしてほしい。
・どんなエネルギーも、あなたが注意を向けたほうに向かうということを、改めて思い出してほしい。失敗するのではないかと思っていたら、その思いを切り替えて、成功しているイメージからエネルギーを引き出してほしい。そうしないとあなたの自己暗示は効果がなくなるか、ひいては、失敗を引き寄せてしまう。前向きな思考と否定的な思考を行ったり来たりするのも、やめるべきだ。先に進まなくなるからだ。
・暗示が持つ力を知ると、「お前にはどうせできないよ」という発言が、どれだけ破壊的な意味をもつ恐れがあるのかがわかるだろう。
・これはあまり用いないテクニックだが、人の興味を惹くのに非常に効果的な方法である。だから僕はショーを始めるとき、いつもこう言うこおにしている。「みなさんに今夜お見せすることは、ひょっとするとみなさんのうちの何人かの方をとても不安にさせるかもしれません。それでも僕は、お見せしようと思います」これだけで、僕は観客の興味をひきつける。このテクニックは相手の関心を惹きたいときにいつでも使うことができる。たとえば新規のビジネスパートナーと話していて、趣味は何かと聞かれたとする。相手の大きな関心を惹きつけたかったら、こう答えるといいだろう。「本当に知りたいですか?私が休みの日に何をしているのかを知ったら、多くの人が不安になるんです・・・。あまり人に聞かれたくないので、少し近寄って聞いてもらえますか」相手は確実に、何がなんでもあなたの話を聞こうとするだろう。
・誰かに本当に話を聞いてもらいたければ、小声で「秘密をお教えします」と言えばよい。誰もが即座に、あなたに耳を傾けるだろう。なぜなら、秘密はいつでもワクワクするものだからだ。もちろん、違う言い方もある。
・「この話はほかの誰にも言わないと約束してください」
・「いつもはこんなことを話さないのですが・・・」
・「このことは心の中にしまっておいてください」
・客に図々しく高額の料理を押しつけるのが嫌だった。それよりも彼は、成功に結びつくはるかに繊細な行動をとった。注文をとるとき、彼は少し前かがみになりこう言ったのだ。「本当のことを申しますと、お客様がお選びになったお料理は、いつもほどよい出来ではないのです。それよりも、こちらかこちらの料理をお勧めいたします」彼が勧めた料理は、客が最初に選んだものより少し安かった。ビンセントは、自分の利益よりも客の利益を優先させたように見える。しかしまさにそのことで、彼は客の信頼を得て、たっぷりとチップを受け取った。おまけに、料理に合うワインと一番おいしいデザートを勧めると、客はどれも注文した!もしかするとその客は、ビンセントが勧めなければ、デザートやワインをまったく注文しなかったかもしれない。つまり、誰かを相手に何かを達成したいときには、まず先に相手の利益になることをこっそり伝えておくといい。
・「通常の点検だけにしますか?それともワイパーを新しいものに交換しておきましょうか?」ワイパー交換のことを尋ねただけで、ワイパーが普段よりたくさん売れた。ここに、役に立つ魔法のフレーズがある。つまり、「~だけ、それとも~も?」という呪文だ。次のような質問は、あちこちで耳にすることができる。
・「フライドポテトだけにしますか?それともケチャップとマヨネーズもつけますか?」
・「給油だけにしますか?それとも洗車もして行かれますか?」
・「講演会の参加申し込みだけでいいですか?それとも貴社の従業員向けに研修会もご提供いたしましょうか?」
・「お子さん向けのラジコンだけでよろしいですか?それともこれに合う電池もおつけしますか?」
・指示を一つ一つ出すだけなら、どれも断られるかもしれないのに、二つの指示を組み合わせたとたん、どちらの指示も実行してもらえるのだ。一つの指示に対して「嫌です」と断るのは、二つの指示を断るよりも簡単だ。しかし、一度に二つの指示を与えられると、相手はどちらの指示を先に断ればいいのかがわからなくなり、結局は両方の指示に従ってしまうのだ!この作戦のすばらしいところは、あなたが相手に影響を与えていることに、相手がまったく気づかないことだ。これは、日常のさまざまな場面で使うことができる。
・「二階へ行って、部屋を片づけなさい!」
・「私のほうを見て、何か言って!」
・「こっちへきて、私にキスして!」
・「議事録を書いて、それを私にメールしてください」
・「私たちに電話をかけて、質問してください」
・「電話を手にとって、私たちに電話をかけてください」
もちろんこれを使ったからといって、誰かをあなたに服従させることはできない。二つの指示のうちの一つでも、相手の意に反したものだったら、相手はどちらの指示にも従わないだろう。ちなみにこのような文を、確信に満ちた有無を言わせぬ態度で言えば言うほど、相手は言うことを聞いてくれるだろう。自信をもって、相手をまっすぐに見よう。このテクニックが驚くほど頻繁に使えるということを実感するだろう。
・私たちは、自分の名前を聞くのがとても好きだ。その事実を活用してほしい。あなたが何か提案するときには、相手の名前を呼びかけたほうが相手は心を開くのだ。
・「グードルン、ちょっと手伝ってくれる?」
・「知り合えてうれしいよ、クリスティアーネ!」
・「マルレーナ、今晩電話をかけてくれる?」
・「私の誕生日パーティーに来てくれるでしょう、マンフレッド」
ちなみに、名前を文のはじめに言うか、終わりに言うかで、違いがある。名前をはじめに言うと、相手がしっかり自分の話を聞いてくれるよう、注意を向けさせることになる。
・たった今から、誰かと知り合いになるときには、初めて会ったその場で名前を覚えてしまうと決意すること。それだけだ。お互い自己紹介するときに、もっと注意を払って、新しく知った名前をずっと記憶に留めようと努力する。そのことに100%注意を払い、頭の中で名前をもう一度おさらいすれば、きっとその名前を記憶に留められるだろう。この簡単な方法なら、きっとあなたもうまくできるだろう。もう一つ、名前(ファーストネーム)を記憶するのに効果的な方法がある。これも簡単だ。ついさっき知り合った人の横にいるそのときに、知り合いの中から、その人と同じ名前の人のことを思い出すのだ。新しい知り合いの名前を覚えることは、ちょっとしたコツさえつかめば、さほど難しくはない。
・・「怖がることはないよ!」。するとどうだろう?むしろ怖くなる。しかも前よりも強い恐怖だ。
・もっとわかりやすいのは病院に行ったときだ。「怖がらないで。痛くありませんから!」。痛みを受け取るすべてのアンテナが引き出され、痛みを待ち受けることになる。
・よく聞かれるのは、「怒ってないよ」だ。本当に怒っていないのだろうか?
これらの文はどれも、嫌がらせのためにわざと言うこともできるし、言い方を変えて、状況をよくすることもできる。「~ない」という否定の言葉を避ければいいのだ。ここで、僕は前の文の代わりに「「~ない」を使わないでください」と書くこともできるが、そうなるとどうなるか、おわかりだろう。先ほどの表現は、次のように言い換えられる。
・「まったく安心して大丈夫だよ」
・「安心してください。診療が終わったら、調子がよくなってきます」
・「まったく大丈夫」
違いがおわかりだろうか。直接の命令文を言うよりもずっと有意義だ。直接の命令文は、あんたが望む結果を強調しているだけだ。
・基本的に何でも批判してばかりいる人が知り合いにいるだろうか?あなたが何を言おうが、その人は議論を始め、なぜあなたの言ったことが間違っているのかを説明しようとする。そういう人は、発言のはじめ方に特徴がある。「うん、でも・・・」「ほんとうにそう思う?」などだ。あなたが何を提案しても、そういう人は基本的にその提案を退けるだろう。しかし「このことを念頭に置いておけば、あなたにとって有利なほうに活かすことができる。あなたの考えを提案するとき、否定の形で伝えさえすればよいのだ。そうすれば、回り道をしても、あなたの目指すことに到達できるだろう。例をいくつか挙げよう。
・あなたはきっと、今日は映画館に行く気がないのでしょう
・あなたはこの提案が、きっと気に入らないでしょう
・あなたは今日は、きっと街に出かけたくないでしょう
・私はこの役目にふさわしくないかもしれない
このテクニックがどれだけ簡単か、おわかりいただけただろうか。「~ない」という言葉を使えば、言語による強力なコントロールができるのだ。
・いくつかの研究において、社会的地位があり成功している人の使う言葉の調査が行われた。そして典型的な言葉があぶり出され、わかってきあおとがある。成功している人たちがまったくと言っていいほど使わない言葉があるのだ。相手をわざと不愉快にさせたいならば使ってもいいが、ここでは「避けたふがよい言葉」としてそれを紹介する。
「本来は」「たぶん」「でも」「本当のことを言うと・・・」「誰か」「いつも」「また」
・成功者がよく使う言葉を紹介しよう。誰もが、自分自身についてや、自分の興味のあること、自分の業績、自分の人生に関係することを聞くのが好きだ。誰にとっても大事なことだからだ。「君」や「あなた」という言葉をもっと頻繁に使うことで、この事実を利用できる。相手に対して、できるだけ頻繁に個人的に話しかけてみてほしい。
・声はできることはあまり多くはないが、それでも侮ってはいけない。僕のボイストレーナーであるカリン・フォン・オストホルトは、いつも僕に「ときには速く、ときにはゆっくりと、ときには大きな声で、ときには静かな声で。これを基本に考えるといいわよ」と言った。実際、アクセントと声については、次のことに気をつけるといい。
・速さ・・・速いか、ゆっくりか
・声域・・・高い声か、低い声か
・声の強さ・・・声の強さが普通か、強すぎるか
・調音・・・一つひとつの言葉が明瞭に発音されているかどうか
・リズム・・・間違ったところで間をおいていないか
・誰もが興味のある話題が、全部で7つある。その7つの話題を持ち出せば、相手の興味を惹くことができる。そのテーマとは、次のようなものだ。
1 恋愛、パートナーとの関係、セックス
2 お金
3 仕事
4 健康
5 旅行
6 知識と知識の習得
7 希望、幸運、願望、将来の計画
恋愛、お金、仕事、健康は、通常、ほかのテーマよりも重要だと見なされている。誰かと話をしたいなら、この4つのどれかを話題にすればよい。しかし注意が必要なのは、セックスは話を始めたばかりのときにはそぐわないテーマかもしれないことだ。しかし適切なタイミングであえば、必ず話が弾むテーマだ。そしてもう一点、念頭に置いておくといいのが、誰もが自分のことを話すのが好きだということだ。相手と、ここに挙げた話題について話をすることができたら、あなたは何かしら印象に残る話ができたというわけだ。
・誰かと話すときに、前に挙げた7つの話題のほかに取り入れるとよい話題があるという。
・相手の性格の特徴
・個人的な状況
占いを手がかりに、特に重要な話題は話しつくしたという感じがしたら、ここで、相手の性格や、個人的な状況についてある程度言い当てて描写してみせるとよい。そうすれば、相手はあなたが相手のことをいかに理解しているかに感心し、あなたは相手の心をつかむことができる。
・・あなたは左のひざにあざがありますね
・最近、もう長いこと会っていない人の夢を見ましたね
・あなたの住所には2という数字が含まれます
・あなたの車の色は青です
・あなたがつけている腕時計は、プレゼントされたものです。
信じがたいかもしれないが、これらの文は、大多数の人に当てはまるのだ!
・練習時間の長短よりも、私が大切にしていることがあります。音や演奏技術のことでつまずいたら、そこから距離を置いて冷静に解決するほうがよいということです。つまり、単調な動きをひたすら繰り返して練習よりも、分析を行うことで解決できるのです。単調な動きは、短時間やってみてしっくりこなければ、いくら繰り返しても無駄なのです。ひたすら繰り返せば弾けるようになるというのは、大きな勘違いです。この勘違いは、ただ楽器を脇に置くことで解決できます。世界的レベルの音楽家が、まずは分析し、それからよく考え、頭の中でシミュレーションをしているのなら、それはきっと勧める価値のある方法だろう。
・あなたの目標の意味を確かめるために、次の質問に答えてみよう。
・これは、私が何より達成したい目標だろうか?
・私の目標は矛盾していないだろうか?
・私の目標は現実的だろうか?
・十分に高い目標だろうか?
・思いやりがなくわがままな目標ではないだろうか?
・新しいことを始めるのに、遅すぎるということはない。「習うなら若いうち」なんてウソだ。年齢を重ねてから何かに情熱を傾けて、最高の力を開花させた人の例は数限りなくある。
<目次>
はじめに
僕が「マインド・リーダー」になった理由
どうしても見たかった、ラスベガスのマジックショー
通訳のトレーニング中に訪れた「人生の転機」
本書は、マインド・リーディングの「道具箱」である
第1章 世界は、あなたが考える通りにある
「見る目」を変えるだけで、心を透視できる!
人間は「七桁まで」の数字しか覚えられない
一瞬で周囲の注目を集めた「一言」とは?
生活を変えなくても「思い込み」で減量できる
[第一印象は外見がつくる]
第一印象を変えたいなら、「外見」を変えなさい
一言も話さずに相手を知るための「チェックポイント」
ある女性の「首のしみ」からわかったこと
[見方を変えれば世界は変わる]
「ポジティブな世界」と「ネガティブな世界」が存在する
人生の手綱を自分で握るための「思考法」
「自分は運がいい」と思っている人ほど、幸運に恵まれるのはなぜ?
第2章 「身体」を見れば、「心の内」がわかる
誰にでもできる「瞬時に椅子を軽くする」実験
レモンをかじる想像をしたら、何が起こるか?
隠された物を見事に見つけ出した、ブラウンとビショップ
「わずかな無意識の動作」を感じ取れ!
[心が身体に影響を及ぼす]
プロポーズにうわの空でイエスと返事をしても、相手は満足しない
毎日見ているものでも、きちんと覚えていない理由
相手の星座を当てる、簡単だけど効果的な方法
①「目」は心を映す鏡
「思考」は「五感」と密接に結びついている
目が動いた方向によってわかる、これだけのこと
「昨日着ていた服の色」について質問したら、視線は右上に向く
「目の動き」から心を透視するための練習
瞳孔の大きい女性が、とびきり魅力的に見えるワケ
どんな人でも「瞳孔」だけはコントロールできない
道と誰かと「さっと目が合うこと」の心理的意味
議論のときは、適度に目をそらし、適度に見つめるといい
目を見開くのは、「もっと知りたい」というサイン
相手と親密になるための「視線」の使い方
②「口」は無言で語る
栄養も情報も「口」から取り入れている
「つくり笑い」かどうかは、持続時間と目を見ればいい
相手の思い浮かべている人を当てるゲーム
相手と同じ姿勢をとる「ミラーリング」の効果
③「頭と首」の姿勢
赤ん坊を見るとき、首を傾けるのはなぜ?
自分の首を見せるのは「誘っている」サイン
④「肩と腕」のサイン
⑤「手」で世界を掌握する
「らせん階段」を説明するとき、人は無意識に手を動かす
手を開いているなら「友好的」、閉じているなら「懐疑的」
さまざまな「手の動き」をコミュニケーションに活かす
握手をすると、嘘をつく人が半分に減る!?
握手は「優位さ」を示す格好の機会
⑥「足」は意識の方向を示す手がかり
⑦「身体」の直感の働き
計算ができる利口な馬「ハンス」の物語
練習すればするほど、「直感力」は磨かれる
[身体が心に影響を及ぼす]
表情が発するメッセージは「世界共通」である
わざと「ひどい気分」の表情をすると、どうなるか?
怒りを手放すための「ウィンクのメソッド」
第3章 「暗示の力」を使いこなす
[自己暗示の力]
「自己暗示」のパワフルな力を試す実験
僕が好成績で試験に合格できた、たった一つの理由
「イメージの力」を利用して成功した広告例
「言葉」は、潜在意識に強く訴えかける
丸い容器に入ったアイスクリームは、四角い容器よりもおいしい!?
[他者による暗示の力]
観客に「禁煙」の暗示をかけたユリ・ゲラー
催眠術をかけるのは難しくない
人はこうしてだまされる!
確実に暗示にかけるための「四つの法則」
[言葉が現実をつくる]
言葉の力を最大限に発揮する
「これは誰にも言わないで」と言うと、人は耳を傾ける
「それとも?」と尋ねるだけで、売り上げが倍増した
交渉のときは、「理由」を伝えて「利益」を暗示する
二つの指示を組み合わせると、相手は言うことを聞く
「相手の名前」を呼ぶことの重要性
ある”記憶力のいい”マジシャンのコミュニケーション術
好奇心をかき立てる「否定の言葉」を効果的に使う
相手の考えを操るための言語テクニック
「成功している人たち」がまったく使わない言葉
「声」に気をつけると、もっとうまくいく!
[いかさまを暴く]
”絶対に当たる”性格診断テスト
人をだますことも、喜ばせることもできる!
まったく知らない相手でも「よく知っている」と信じ込ませる方法
絶対に相手の興味を惹くことができる「七つのテーマ」
会話を自由自在に盛り上げる「トーク・テクニック」
「腕のいい占い師」が使っている質問方法
透視のテクニックは、広く活用するためにある
第4章 メンタル・トレーニング
イメージ・トレーニングをした人としない人の「驚きの差」
ある巡査が感じた”虫の知らせ”とは?
「なぜかしっくりこない」という感覚を大事にする
思考の的を絞れば、夢は実現する
「アルファ波トレーニング」でリラックスする
ビジュアライゼーションで気をつけること
子どものころの思い出は、無意識のうちに改変されている
過去の嫌な記憶を書き換える方法
第5章 意識を「今このとき」に集中する
「渡せなかった誕生日プレゼント」が教えてくれたこと
「72時間以内」にとりかかりなさい
始めるのに、遅すぎることはない!
第6章 はかり知れない「可能性」
高層ビルの高さを算出する方法
透視で大切なのは「思いやり」である
科学的に説明できないことの存在
おわりに
謝辞
訳者あとがき
<今日の独り言>
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。
この記事へのコメントはありません。