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「ひっかかる日本語(梶原しげる)」という本はオススメ!

<金曜は本の紹介>

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 「ひっかる日本語」という本は、アナウンサーや司会業で活躍している梶原しげる氏が書いたもので、著者が実生活でひっかかる言葉や良い話し方などを基に、その理由やコミュニケーション術等を楽しくわかりやすく説明したものです。

 特に以下については、なるほど面白いなぁと思いましたね。

・数字のゼロは英語で、レイは日本語

・話は間が大切

・池上彰さんの説明の特徴は以下の通り
 ①直接話法の多用
 ②擬人化
 ③受講生に質問させる技

・質問は興味があるからこそ出るのだし、質問された人間は頼りにされ、尊敬されている

・インタビュワーの吉田豪さんの技は以下の通り
 ①事前取材で好きになる
 ②綿密な事前取材により関係性を築く
 ③情がわかないくらいの距離間を保つ
 ④うそをつかない
 ⑤否定したり説教したりしない

・カリスマキャバクラの技は以下の通り
 ①嫉妬するやっかいな身内にはメリットを与えて仲間に取り込む
 ②客の誘いは拒まず、身内を連れてマンツーマンの関係を避ける
 ③お客様を楽しませようと考えるのは傲慢。お客様の話をしっかり聞いて面白がるのが仕事
 ④客本人さえも気づいていない細かい良いところを見つけ出し言葉にして褒める

・文字だけの指示より音読を伴った読み聞かせの指示が仕事を効率化

・隠されたカリキュラムが大切

・見た目勝負の商品ではラジオショッピングがテレビショッピングより返品率が低い

・人を励まし自信を与えるコンプリメントが大切

・口下手が口無精にならないポイントは次の5つ
 ①話す相手に関心を持ち続けること
 ②具体的な返答は短くする
 ③何を口にすべきか自問自答しながら話す
 ④自分の良い例外を探す
 ⑤話しかける相手は親しい一人だけとイメージする 

・ネット動画撮影のコツは以下の4つ
 ①レンズを「恋人」と思って話す
 ②時間制限を意識する
 ③リハーサルは必須
 ④台本は必要

・話の上手な人は、正確な数字データを織り込む

・思考を変えるときに活躍するのが気分の数値化

・下戸の場合は、うなずき、相づち、笑顔、適切な質問、傾聴及び誠意が重要

・ダメ出しをする場合の基本は以下の3つ
 ①穏やかに
 ②ダメ出しをするのは企画であって本人ではない
 ③解決策を考える

・講演会では女性客が多いと反応がよく話しやすい

・講演会で男性客が多い場合は論理的に組み立てた話が良い

・口下手な場合は次の3つがポイント
 ①笑顔のすてきな人を目指す
 ②気配り・気働きの人を目指す
 ③聴き手に徹する

・恋愛は、相手の心を読み取りそれに沿った行動をすること

 著者は生来の粘着質をフル稼働して日本語を対象としてこの本を書いたと卑下していますが、全然そんなことはないと思います。
真っ当な考えだと思います。
また、分かりやすい例を用いながら、またポイントをよくまとめて書かれているのでとても理解しやすい内容となっています。

 この「ひっかかる日本語」という本は、人生に役立つヒントが満載でとてもオススメですね!

以下はこの本のポイント等です。

・090-0123-××××。携帯など電話番号を人に伝える時、0にあたるところをあなたは「ゼロ」と言う?それとも「レイ」と言う?私は「ゼロキュウゼロ」と読むゼロ派だが、「レイキュウレイの」と言う「レイ派」も少数派ながら存在する。ところがテレビやラジオに耳を澄ますと「お問い合わせは東京レイサン、レイイチニイサンの×××までお願いします」と0を言う時「ゼロ」ではなく「レイ」が使われていることがふつうだ。テレビ、ラジオのアナウンサーが番組内で電話番号、郵便番号などを口にする時は「レイ派」が圧倒的、支配的だ。何故か?その答えはNHK放送文化研究所のホームページに書いてあった。要するに「ゼロ」は英語、「レイ(零)」は日本語。「ゼロ、キュウ、ゼロ」というのは「ワン、ツー、サン」とか「彼は我が社のナンバーイチです」というのと同じようなもの、ということである。なるほどこれが論理的な正解だろう。

・「ごめんなさいね、自分の成績が思うように伸びないからあなたにあたっているのよ。あなたは確かにセールスには向いていないかもしれない。でも説明しているときの声、とても魅力的よ。百科事典売りは無理だと思うけど、その声は大事にすることよね。あんな酔っぱらい、無視してお帰りなさい」早々にお宅を退散しながら、そこの奥さんが大船観音のように思えた。「どうしてアナウンサーになったんですか?」と聞かれることがあるが、今にして思えばこの奥さんの助け船の一言がそのきっかけのひとつだったのかもしれない。

・1時間番組のためにスタジオ収録で2時間カメラを回した時、粗編集を済ませた後が編集マンの腕の見せ所だ。特にバラエティーでは発言者の面白さを生かすため、「落ち」の前後の「間」をどう作ればより面白さが伝わるのか、0.1秒単位での編集作業を行っている。「とにかく決められた時間に収まればいい」という編集をしたら、番組はめちゃくちゃになる。「この人のこの場面での「間」はこの長さ」「受ける側の「間」はこれくらい」-こういう作業に何十時間もかけているのだ。同じ話でも「間を的確に作り出した作品」と「適当につなげた作品」では雲泥の差が出る。

・池上彰さんの説明の三大特徴は、①直接話法の多用、②擬人化、③受講生に質問させる技、である。北朝鮮が世界中から「やめろ!」と言われながらも、なぜ「核開発」を続けるのかについての池上さんの説明はこんな感じだ。池上「北朝鮮はこんな風に心配したんです。「アメリカは強いなあ。もし今度アメリカと戦争ということになったらやられてしまうかもしれないなあ」。一方で、アメリカは「北朝鮮がもう一度韓国に攻め込んで来たら大変だ。じゃあ韓国を守ってあげるために核爆弾を韓国国内に置いておこう」と考えました。すると北朝鮮は「韓国にある核兵器が怖くてしかたないよー」と不安を感じたんですね。そこで「よし、うちだって、自分のところで核兵器を開発すればいいんだ!」と決心することになったんです」北朝鮮やアメリカといった国家を擬人化したうえで、彼らの思考を台詞にして直接話法でしゃべっているのがおわかりだろう。

・池上さんの特徴的なフレーズとされる「いい質問ですねぇ」が飛び出すのも、生徒が質問しやすい流れを作っているから。そのために池上さんは、生徒たちの個人的な情報(趣味や近況)も仕入れたうえで、その種のことも「突っ込みのネタ」として使う。こうして生徒たち(と視聴者)は、話にどんどんのめり込むことになる。

・本来、質問は興味があるからこそ出るのだし、それ以外に「あなたと仲良くなりたい」「あなたをリスペクトしている」という感情の発露でもある。質問された人間は、頼りにされ、尊敬されているのだから、喜ぶべきところだ。

・吉田豪さんは、取材対象者に会う前に、徹底的にその人物について調べる。著名人である場合は、著作のすべて、その人物に関する新聞・雑誌・ネット上の記事、ブログ、ツイッターに至るまで試験前日の徹夜の一夜漬けのように、大事な部分は書き取りながら、読みまくる。どこまで調べたら、納得するのか聞いてみると、こんな答えだった。「その人について、自分場好きになれるポイントを見つけ、自分にとっての好奇心のアンテナがピピッと反応するまでです。どの角度から見ればこの人のことが「好きだ!面白い」になるのかを探す作業が完了した時点で納得です。睡眠時間1日1~2時間に削って調べれば自分にとって「ここはおもしれーなあ、好きだなあ」というところが一つや二つは大抵見つかるもの。従って、取材対象者に直接会う時は、その人のある部分がとても「好き」な、好奇心一杯な自分になっているわけです。自分のことが心から好きなインタビュアーには本音を語りたくなるものです。

・感動が信頼へと変わり、最終的には、インタビューは、人生相談からカウンセリングのようになっていく。「僕のインタビューは、相手の良いところを徹底的に探して、そこを肯定していく作業です」これはまさにカウンセリングだ!

・瞬時に「よい関係性」を構築した豪さんは、それを、その場限りと決めている。すなわち、私的交際に発展させることを自らに禁じている。これはまさにカウンセリングの論理綱領と同じだ。カウンセラーは原則的に相談室以外で私的にクライアントと会うことはない。「よい関係性」は、インタビューという「仕事」を成立させるためのものと割り切らないと筆が鈍る、という豪さんの考え方はまさにプロの仕事人ならではだ。「客観的な線引きをして、情がわかないくらいの距離間を保つことが必要。アイドルに限らず、取材対象者は個性的でありアクの強い人が多い。好きだ、面白い、という、その面白がりの距離を心得ておかないと、問題となる場合がある」過度な依存や、近づきすぎて逆に嫌いになったり、なられたりという事態が起きかねない。大事なのはヒット&アウェーのスタンスなのだ。

・嫉妬するやっかいな相手を、憎んだりいじめ返したりするのは簡単だが、あえてメリットを与えて仲間に取り込む。ビジネスパーソンの見習いどころだ。

・お客様を楽しませよう、なんて考えるのは、とても傲慢なこと。お客さんが楽しんでいる所にいる、というのが理想ですね。私たち、芸人さんじゃないから、笑わせたり、楽しませたりなんて能力ないじゃないですか。お客さんが話す話をしっかり聞いて、面白がるのが仕事ですね。お客さんたちは、話を聞くよりも、自分の話を聞いてもらう方がずっとお好き。話すキャバ嬢より聞くキャバ嬢の方が出世する。これはこの世界の常識ですよ。お客様の中にはあえて難しい業界の話をしてくる人もいらっしゃる。そういう時は、中途半端に分かったふりなんかしない。お利口さんぶらないで「なんかすごーい!面白そう!私なんかでも分かるように教えてくださーい」と素直に聞いた方が喜んでもらえる。とにかく、お客さんに気分良くしゃべっていただくお仕事なんですから。正直あんまり好きなタイプじゃないなあ、というお客さんでも、しっかり聞いて、観察してると、その人の本当に良いところが見えてくることがあるんです。そこはすかさず口に出します。お世辞はすぐにばれて、かえっていやがられるけど、本人さえも気づいていない細かい良いところを見つけ出し言葉にして褒めると感激してくださいますね。

・田原総一朗さんはいつも「顧客満足」をねらう、流行っている店の経営者と同じ姿勢だ。だから常に視聴者の視点を忘れない。だからよく、こんなフレーズを使う。「その今言った、何とかという横文字、よく分かんないから、誰か説明してよ」「何だか良いことを言ってるみたいだけど、話が速すぎて僕じゃついて行けない。もっとゆっくり、僕でも分かるように話して」どう考えても田原さんなら理解できていそうな場面でも、あえてこういう質問を入れて、議論のペースをわざと落としたりする。獰猛にして老獪。

・「文字だけの指示」より「音読を伴った、読み聞かせでの指示」は、仕事の効率化を促進する上で実に効果的だ。「読み聞かせ」を家庭内だけのことと決めつけるのは、もったいない話である。

・フリーのアナウンサーになりたてのころ、あるシンポジウムの司会を担当した。テーマは「女性の生き方」といったもので、直木賞作家、ベテラン女優、女性起業家、等々、その頃話題の女性が「人生を熱く語る」という類のイベント。テレビもラジオも関わらない純粋なイベントというものに不慣れだった私は、それなりに緊張していた。放送局の人間は放送がないと緊張するのだ。しかし下調べをしていたおかげもあって無事終了。さあ、早く帰って、友達と連絡して一杯やろうかと思い、そそくさと帰り支度を、と思ったら、当時のマネジャーが私にこう言った。「梶さん。こういう場合は、本番以上に終わった後に、皆さんとどういう風に交わり、どういうお話をするかが大事。食後のデザートが一番大事で、美味しいんですよ。ほら、だれもすぐ帰らないでしょう。こういう雰囲気にはいっていかなきゃ。またいつどこで、ご一緒するかもしれないんですから」「なんだこりゃあ!?」本番では聞けなかった、ぶっちゃけトーク炸裂。「さっきはあれでうまく話を引き出せたと思っていたけど、みんなまるで話し足りていなかった。今聞く話の方がよほど面白い!」この時は随分自分を責めたものである。公開シンポジウムは正式なカリキュラム。その後に展開されている「講義」は「隠されたカリキュラム」といえる。

・グラビアアイドルを撮っているカメラマンと話をした時も、これに近いことを聞いたことがある。「「ハイ撮りますよ、笑って笑って」なんて言うのはド素人。「いいね、いいですよ。最高」と乗せて撮るのは当たり前。「はい、以上です。お疲れさまでしたー、いやー、おかげで、とてもいい写真撮れました。最近、写真も大分なれたでしょう、ね」なんて油断させ、機材を片づけるふりをしながら、本人が気を抜いて素で笑ったところを撮るんです」仕事という公的な緊張から解放された安堵感から、もっとも本人らしい魅力が伝わってくるというわけだ。こちらの方が雑誌に掲載される確率は高いとプロは言うのである。

・大事な仕事は会議室だけで進められているわけではない。むしろヒットするアイデアは、さりげない立ち話のようなものから生まれることがある。人の心に響く企画や商品はきっちりしたカリキュラムの組まれた「公的な場」ではなく、なんでもない隙間の時間、喫煙ルームでのぼやきや、290円均一の立ち飲み屋で気持ちがゆるゆるになった時こそ生まれる場合がある。そこにあるのは非公式な、いわば「隠されたカリキュラム」の世界だ。

・利用者にとってはお馴染みのラジオショッピングだが、そうでない人は、この形式自体に疑問を持つようだ。見ないで買うなんて人がそんなにいるのか?と。そういう懐疑派に、ダイヤの指輪のような、「見た目勝負」のものが、ラジオでよく売れ、返品率も低いと説明すると、本当か?とさらに怪しむ。売っている私も、そのことが気になって、担当者に聞いたことがある。「テレビは映像の工夫で、1カラットのダイヤを葡萄1粒ぐらいに見せてしまうこともできる。で、届いたものをみると、その落差に愕然として、返品ということもあるかもしれないね。ところがラジオではリスナーは自分の指を見ながら、この位なんだろうなあ、と常識的にイメージする。過剰な期待を抱かない。ラジオを聞き慣れている人は、言葉から映像を頭の中で作り上げる訓練が出来ているから、とんでもないかいりというのがないんだ。ダイヤに限らず、宝飾品のような高価なものを買う時は当然迷う。ましてや見ることのできないラジオで買うなんて、と思うだる。そこが日頃馴染んだパーソナリティーの強み。親戚は隣近所の人より身近で信頼できると感じているラジオの○○さんが勧めるんなら買ってみるか、という方が少なくない。というわけで、ラジオショッピングで「見た目勝負」の商品はよく売れ、返品率はテレビに比べ二桁少ない。」

・カウンセラーの仕事はクライアントの言葉を聞いてその真意をくみ取り、そこから援助につながるきっかけを見つけ出すことだ。ぱっと見は単なる雑談のように見えても、カウンセラーはクライアントの言葉の背後にある本音や感情を読み取ることに集中している。精神分析であれ、来談者中心療法であれ、認知療法であれ、基本は「聞くこと」。

・「コンプリメント」とは辞書的な解説では「賛辞、表敬」。ただし本稿でいうところの「コンプリメント」とは、最近話題の心理療法、SFAにおける最強の武器のひとつ。簡単にいえば、人を勇気づけるのに多大な効果を発揮する「ほめるワザ」だ。評価し、賛同し、敬意を表し、労苦をねぎらう。お世辞、お追従とはまるで違う。「五感を総動員して観察し、相手の心に響くフィットした真実のほめ言葉」のことを言う。「コンプリメント」とは、人を励まし、自信を与える、魔法の言葉である。

・話の上手な人には「上手な数字の見せ方」の技を持っている人が多い。以前、テレビ局の友人に「最近、しゃべりで感心した人って誰?」と聞いた時に、彼が名前を挙げたのは、宇宙飛行士の山崎直子さん。さっそくそのトークを拝見したが、確かに素晴らしい。魅力のひとつは、話の中にさりげなく正確なデータが簡潔に織り込まれている点だ。

・思考を変えるときに活躍するのが、気分を数量化(数値化)する「スケーリングクエスチョン」。具体的な「見える数字」を提供しながら「できている自分」「解決している自分」という面に焦点を当てる。実現可能な小さな目標をクリアしていることを数字の上昇で実感させる。これを小刻みに何度も繰り返し、達成感を体験させる。その中から徐々に解決のイメージが見えてくる。これを粘り強く行っていくうち、気がついたら大きな目標に向け前進していた。これが理想だ。ここでのポイントが具体的な「数字」を上手に使うことだ。

・お酒を飲むことができない分、お客様のお話にはしっかり集中して反応することを心がけました。具体的にはうなずき、相づち、笑顔、適切な質問、傾聴ですね。こちらは酔っていませんから、お客様が時間の経過と共に、徐々に本音を語り出す場面が感じ取れる。そこにはお客様からの宿題が提出されていることがあるんです。それをぬかることなく受け止め、翌日お礼のご挨拶の中にさりげなく織り込んでお伝えすようにしています。下戸の武器は「誠意」しかないんです

・私が「女好き」というわけではない。「話のしやすさ」が、男女まるで違うからだ。明治大学教授でテレビのコメンテーターとしてもおなじみ斎藤孝先生の講演を聴くチャンスがあったが、先生はこのようなことをおっしゃっていた。「今日は会場を見渡して安心しました。女性の方が多い!女性はレスポンスがいいですね。しっかり聞いてきっちり反応してくださる。面白いことを言うと、わっと笑っていただける。これが男性、特にある程度の年齢のおじさんばっかりだとクスリともしない。「笑ったら一生の恥だ!」と言わんばかりの方もいる。そういう男性ばかりの時、私は全員の方に立っていただき、ジャンプしてもらうんですね。緊張をほぐす。そうしてから話しはじめることにしています」

・「その場の気分、ノリ」を大事にする女性が多い一方で、男性は「理屈」を大事にする傾向がある。このポイントを心得た話し方をすれば、男性相手でもはずさないで済む、というのがこの10年で得た結論だ。男性は、きっちり論理的に組み立てた話、自分の好奇心に沿った話が好きだ。冒頭で好奇心と思考力を刺激するちょっとした○×クイズを5~6問、立て続けに出し、必ず○か×かに手を挙げさせ、身体と頭を活性化させるのも効果的。ただし「知らないと恥だ、間違ったら笑われる」というプライドに関わる問題はダメだ。どうでもいいのがいい。斎藤孝先生の「ジャンプ」と同じ役割だ。これを素早くやったあと、深呼吸を一緒にやってから、さあ、本論をぶつける。「今日話すのはこの3つ」と全体を予告してから「これを知ったら得られる成果がこの3つ」と、「知っておいたら特だ」ということをアピールしてから話し始める。ここまでやれば、まじめな男性は必ずメモを取り始める。こちらもメモが取りやすいように、簡潔に、筋道立った話を心がける。数字や形など、ディテールを押さえた話に気を配る必要がある。話しているうちにどんどんメモを取る人が増えて来たら「ウケている」と思っていい。男性聴衆の頭の中では「じゃあ、○はどうなる?そう言うけど、×はどうだ?で、結論は?」と、論理の柱が何本も立っている。それに次々と答えるように話を展開していけば男性聴衆は満足する。節目節目で「ここまでで、質問のある人?」と手を挙げてもらったり、歩きながら、「何か気になることありました?」と近くの人に聞いてみたりすることも、飽きさせない有効なテクニックだ。そんな時に、思いもよらぬ、ラッキーなクエスチョンが出てくることがある。その質問に答えることで、話がさらに豊かになる。こういう場面で適切な「質問」をようだいするということは、「聞いていますよ」というなによりの証拠だ。こんな風に的確な質問が出たときは、女性に「がははは!」と笑ってもらったときと同じように、話し手の中で脳内麻薬が分泌され、聴衆との、静かだが熱い連帯を構築することができる。結果として、聴衆の満足につながる。

・「口下手な自分」に落ち込んでいる人もいるだろう。私はそういう人には、輝ける未来があると信じている。「自分は達者なしゃべり手ではない。むしろ口下手である」という自覚があるからだ。ただし、そういう人は無理に「話し上手」を目指すことはない。話す以外の自分の「資源」を伸ばしていこうと知恵を働かせるといいと思う。たとえば笑顔のすてきな人を目指す、気配り気働きの人を目指す、聴き手に徹する。

・「解読スキル」は文字通り「スキル」だ。簡単に言えば、相手の心を読み取り(解読し)、それに沿った行動ができる能力のこと。スキル=技術=テクニックだから、訓練次第で熟達可能である。恋愛では身体的、金銭的ハンデを過度に気にする必要はない。身の回りを見渡して欲しい。二枚目や美女が必ずしもいい恋愛を育んでいるとは限らない。むしろパッと見「?」というタイプが素敵な恋をして、結婚。素晴らしい家庭を築いているという例はそこかしこにあるのではないか。「相手の気持ち」を推し量り、理解する技。言い換えれば、相手の立場にたった「配慮」や「思いやり」に基づく「愛他的心(自分以外の相手への愛を重視する気持ち)」を持つ「スキル・能力」は恋愛の必須アイテムだ。


<目次>

まえがき
第1章 ひっかかる日本語
 1 「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」
 2 あなたはゼロ派?レイ派?
 3 「ワンエルディーケー」の将来
 4 無礼な葬儀屋と親切な葬儀屋
 5 ニュースは紋切り口調で一杯
 6 しつこいセールス撃退法
 7 上から目線
 8 敬語が出来ない政治家って
 9 「常套句」に逃げ込む人たち
10 私が見た「最悪の講演」
11 「名詞+です」問題を考える
12 「間が悪い」東電幹部
第2章 脱帽する日本語
 1 池上彰さんの説明はなぜわかりやすいのか
 2 池上彰さんとサンデル教授の共通点
 3 日本一のインタビュアーの裏技
 4 カリスマキャバクラ嬢はすごかった
 5 梨元勝さんはつかみ名人だった
 6 田原総一朗さんの獰猛さ
第3章 伝えるには知恵が要る
 1 上司から部下への「読み聞かせ」のススメ
 2 「ちょっとした立ち話」をあなどるな
 3 ラジオ通販はなぜ売れる
 4 聞き方訓練のススメ
 5 最強のホメ技とは?
 6 口下手はいいけれども口無精はだめ
 7 ネット動画での作法
 8 毒になる数字、薬になる数字
 9 下戸のための酒場遊泳術
第4章 印象は口と舌で変わる
 1 ダメ出しの作法
 2 機内アナウンスに「新生JAL」を見た
 3 女性はなぜ面接に強いのか
 4 口下手のためのコミュニケーション講座
 5 若手に贈る「中高年克服法」
 6 「モテたいなら話を聞け」は本当か
 7 テキパキにこだわらない

面白かった本まとめ(2013年上半期)

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